日本政府観光局が20日発表した訪日外国人数(推計値)によると、2015年度は前年度比45.6%増の2135万9000人で、2000万人の大台を初めて突破した。アジア諸国を中心とした「訪日ブーム」が影響した。15年暦年では1974万人とわずかながら届かなかった。政府は東京五輪・パラリンピックが開催される20年の訪日外国人数の目標として、2000万人を掲げてきたが、現在は2倍の4000万人に引き上げている。
トヨタ自動車は17日、グループ会社を含む国内15の自動車組み立て工場で、18~23日の操業を段階的に止めると発表した。熊本県などで地震が続き、九州からの部品の供給が滞っているためで、国内工場の大半の生産が止まることになる。愛知県にある主力工場と、岩手、宮城、東京、静岡、三重、岐阜、京都にある組み立て工場も19日以降、部品の在庫がなくなった生産ラインから順次、止める。高級車「レクサス」をつくるトヨタ自動車九州(福岡県宮若市)の工場は先に15日から、操業を見合わせていた。
JR九州は17日、九州新幹線の設備上の損傷が、熊本県を中心に約100か所にのぼることを明らかにした。壁の落下や駅ホームの柱の損壊などが多く、JRは「修復には相当な時間がかかる。運行再開の時期は見通せない」としている。同社によると、新玉名―新八代駅間では、約50か所で防音壁が落下し、高架橋の柱のひび割れも25か所で確認された。新八代駅では、ホームを支える柱約20本が折れるなどした。
熊本地震で、画像処理を行う画像センサーを生産するソニーの熊本工場(菊陽町)が稼働停止に追い込まれ、停止が長期化すれば画像センサーの供給量が減り、センサーを搭載しているとされる米アップルの「iPhone」の生産にも影響が出る可能性がある。熊本県や周辺の地域には半導体の生産拠点が集積している。工場で使う地下水が豊富なことが最大の理由で、近年大きな地震が少ないことも利点とされていたようだ。