国の奨学金を返せず自己破産するケースが、借りた本人だけでなく親族にも広がっている。過去5年間の自己破産は延べ1万5千人で、半分近くが親や親戚ら保証人だった。奨学金制度を担う日本学生支援機構などが初めて朝日新聞に明らかにした。無担保・無審査で借りた奨学金が重荷となり、破産の連鎖を招いている。機構は2004年度に日本育英会から改組した独立行政法人で、大学などへの進学時に奨学金を貸与する。担保や審査はなく、卒業から20年以内に分割で返す。
麻生太郎財務相の在任期間が12日、戦後歴代1位となった。在任期間は1875日に上り、1980年代から2000年代に複数回、財務相(蔵相)を務めた宮沢喜一氏(1874日)の記録を塗り替えた。麻生氏は、在任期間中に6度の予算案を編成したほか、法人税の実効税率20%台への引き下げなど、成長志向の税・財政改革に取り組んできた。
東京都は9日、「(仮称)東京都無電柱化計画」の素案を発表した。2018年度からの10年間の都の基本方針などを示したもので、東京都無電柱化推進条例に基づいて策定された。23日までパブリックコメントを募集。今年度内に策定する。防災上重要な拠点周辺の都道無電柱化の強化、都道だけでなく区市町村道での支援や、都市開発諸制度を活用した開発者への無電柱化によるインセンティブ付与などが盛り込まれた。
内閣府の家族と法制度をめぐる世論調査で、夫婦別姓を選べる「選択的夫婦別姓制度」を導入してもよいと考える人の割合が過去最高の42.5%だった。導入する必要はない、と答えた人は過去最低の29.3%。ただ、政府は「国民の意見が大きく分かれている」として制度の導入に慎重な姿勢だ。制度をめぐっては法制審議会(法相の諮問機関)が1996年に導入を答申したが、法改正のめどはたっていない。
人間の極限的惨苦を描破した「苦海浄土」で水俣病を告発し、豊穣な前近代に取って代わった近代社会の矛盾を問い、自然と共生する人間のあり方を小説や詩歌の主題にすえた作家の石牟礼道子さんが10日死去した。90歳。