各紙によれば関西電力が、2013年3月期の期末配当(前期実績30円)を見送る方向で調整していることが23日、明らかになった。9月中間配当も実施せず、年間配当(同60円)はゼロとなる。同社が年間配当を無配とするのは創業した1951年度以来61年ぶり。7月に再稼働した大飯原発3、4号機(福井県おおい町)以外の原発で運転再開のめどが立たず、代替電源である火力発電所の燃料費が拡大し、収益を圧迫するためだという。関電の12年9月中間の連結純損益は1250億円の赤字(前年同期は294億円の黒字)になる見通し。
丸紅が大分市に大規模太陽光発電所(メガソーラー)を建設することが21日、分かったと各紙が報じた。出力は8万1500キロワットで、年間発電量は一般家庭約2万5000世帯分を想定している。丸紅によると、太陽光発電所の出力としては国内最大級で、今後、再生可能エネルギー事業を拡大する。総事業費は約240億円で、大分市沿岸部の105ヘクタールの敷地に、太陽光パネル約35万枚を設置する。11月に着工し、2013年度末までの完成を目指す。発電した電力は、今年7月に始まった固定価格買い取り制度を利用して九州電力にすべて売る方針だという。
各紙によればシャープが中小型の液晶パネルを生産する天理工場(奈良県天理市)で、最新の液晶パネル「IGZO(イグゾー)」の生産を始めることが21日、分かった。主にスマートフォン向けを製造する。IGZOは画像が美しく消費電力が少ないのが特長で、シャープが世界で唯一量産できる。現在は亀山第2工場(三重県亀山市)だけで製造しているが、工場を増やして生産体制を拡充。経営再建の「切り札」と位置付け、収益向上を狙う。亀山で生産するIGZOは当面、ノートパソコンやタブレット型端末向けを主体とし、中国の聯想(レノボ)や米デル、ヒューレット・パッカード(HP)といった大手パソコンメーカーと長期契約を結んで安定的に供給する考えだという。
財務省が22日発表した2012年度上期(4~9月)の貿易統計によると、輸出から輸入を差し引いた貿易収支は3兆2189億円の赤字となったと各紙が報じた。半期ベースでの赤字額は、統計が比較可能な1979年度以降最大で、赤字額が3兆円に達するのも初めて。欧州債務危機で世界経済が減速した影響で、欧州や中国向けの輸出が減ったうえ、液化天然ガス(LNG)など燃料の輸入増が続いていることが要因。対欧州連合(EU)の貿易収支が初めて赤字を記録したほか、対中国の貿易赤字は4期連続で拡大したという。