各紙によれば経営再建中のシャープが、液晶部門で実施する構造改革の全容が明らかになった。主力生産拠点の亀山工場(三重県)の価値を引き下げる減損処理に踏み切り、トヨタ自動車などとの協業で車載向けなどの用途開拓を急ぐ。シャープが5月の再建計画発表時に否定していた液晶部門の分社化も、金融機関向けの書面には明記していたことが判明した。一連の改革の後、分社化の検討を進める。亀山工場の帳簿上の価格を2016年3月期に約170億円切り下げ、損失として計上することで、工場の資産価値に応じて毎年必要になる減価償却費を抑える。稼働率が低くても利益を出せる体制を構築し、稼働率優先の見込み生産から受注生産への移行を進める。
損害保険大手のMS&ADホールディングスの傘下損保2社が、全国にある企業拠点の住所から、地震や土砂災害、洪水、放射線といった災害リスクを診断するサービスを6月から始めることが30日、分かったと各紙が報じた。企業が自社や取引先の拠点などのリスクを把握し、災害への備えに役立ててもらうのが狙いだ。損保2社は三井住友海上火災保険とあいおいニッセイ同和損害保険で、診断するのはグループのインターリスク総研。両損保を通じ無料でサービスを提供する。地震では、首都直下地震、南海トラフ巨大地震、東日本大震災が発生したと想定し、震度や液状化、津波の切り口から5段階で判定する。
厚生労働省は29日、カルテなど医療分野の情報を一元的に管理する個人番号を導入する方針を明らかにしたと各紙が報じた。国民一人ひとりに割り振るマイナンバー(社会保障・税番号)のシステムと連動させ、全国の病院や薬局、介護事業所などが個人の医療情報を共有できるネットワークを構築する。検査や投薬の重複を防ぎ、医療費を抑制する狙いだ。2018年度から段階的に運用を初め、20年度の本格運用を目指す。厚労省がこの日の産業競争力会議の課題別会合で報告した。
各紙によればIHI・JFEエンジニアリング・ジャパントンネルシステムズ(JTSC)・三菱重工業・三菱重工メカトロシステムズ(MHI-MS)の5社は5月28日、JTSCとMHI-MSのシールド掘進機事業を統合する方向で基本合意書を締結したと発表した。2016年1月の統合を目指す。シールド掘進機は、鉄道や道路などのトンネルを掘削する際に使用する大型機械。日本の企業では、IHIとJFEエンジニアリングが出資するJTSCや、三菱重工子会社のMHI-MS、川崎重工業、日立造船などがシールド掘進機の製造事業を展開している。