復興庁は25日、東日本大震災で被災した東北・関東の8県71市町村に対する復興交付金として、総額3166億円の配分を決定したと各紙が報じた。自治体側が求めた分の6割にとどまった前回3月の交付から一転、要望総額2139億円の1.5倍を支給する。復興庁は住民の合意を得た高台移転など、早期実施が見込まれる事業については複数年度分の費用を前倒し。地域のアイデアでソフト事業などに使える交付金も、内容が決まる前に一部費用453億円を配分したため、決定額が要望を上回ったという。
東京電力が45%を出資する電力機器メーカーの東光電気が、東電で料金値上げを担当している高津浩明常務を社長に迎える人事を発表し、一部の利用者らから批判の声が出ていると各紙が報じた。東電の資材調達に、関連企業との随意契約が多いことが料金高止まりの一因と指摘されているためだ。東光電気は東電との取引が売上高の6割を占めるという。枝野経済産業相は23日のテレビ番組で、両社の取引を厳しくチェックする考えを示した。
東京電力は24日、福島第1原発事故で大気中に放出された放射性物質の量が昨年3月だけで90万テラベクレル(テラは1兆)に上るとの試算を明らかにしたと各紙が報じた。これはIAEAが試算した旧ソ連のチェルノブイリ原発事故の放出量520万テラベクレルの6分の1に相当する。ほとんどは原子炉格納容器から漏出で、3月15、16日の2日間で2、3号機から少なくとも計34万テラベクレルが漏れたという。
新潟県佐渡市は23日、国内の野生で36年ぶりに誕生した国の特別天然記念物トキのひな8羽に名付けた愛称を発表し、親鳥に扮した市職員が出生届を提出したと各紙が報じた。 誕生が確認された順に「みらい」「ゆめ」「きぼう」「きずな」「ぎん」「きせき」「そら」「美羽」。一方、環境省は4月下旬に生まれた1組目のひな3羽が、親鳥とほぼ同じ大きさに成長したと発表。早ければ週内にも自発的に巣から出る「巣立ち」をするという。
各紙によれば近畿大学は23日、セシウムを99%取り除くことができるゼオライト・カルシウム漆喰 を開発したと発表した。ゼオライト漆喰は高いセシウム吸着性を持つが構造物をつくる場合、強度に課題がある。高強度漆喰とゼオライトにカルシウムを混合することで建築材料としての強度を確保し、セシウム除去性能も高い材料の開発に成功したという。ホットスポットへ塗布する除染や、汚染物質を安定して隔離する用途が考えられる。