2013年3月地方経済の状況
【総評】~生産や輸出に改善の動きがみられ、景気は下げ止まり~
【北海道】
北海道の景況は、住宅建築、輸出が持ち直すなど、やや上向き。
個人消費は、乗用車販売が減少したほか、百貨店販売が大雪の影響による来店客の落込みから振るわなかったものの、スーパー販売が防寒用品を中心に増加するなど、やや上向き。住宅建築は、分譲住宅が減少したものの、持家、貸家が増加し、持ち直し。設備投資は、エネルギー関連で投資計画を積み増す動きがみられるほか、医療・福祉関連に建替え・新築の動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、下げ止まり。輸出は、石油製品、北米向けの自動車部品が増加し、持ち直し。 生産活動は、電気機械、石油・石炭製品が増加したものの、輸送機械が減少し、横這い圏内の動き。
観光は、台湾からの入込客が増加し、緩やかな持ち直し。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、医療・福祉、建設業で新規求人数が増加するなど、持ち直し。
先行きは、上向きで推移するとみられている。
【東北】
東北の景況は、生産活動が上向き、住宅建築、公共工事が持ち直すなど、上向き。
個人消費は、乗用車販売が普通・小型乗用車、軽乗用車ともに減少したほか、大雪の影響による来店客の落込みから、大型小売店販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家が減少したものの、被災地での建替え需要から、貸家、分譲住宅が増加し、持ち直し。設備投資は、震災関連の復旧・復興に伴う投資が増加し、緩やかな持ち直し。公共工事は、震災関連の復旧・復興工事が増加し、回復に向けた動き。輸出は、非鉄金属、一般機械、船舶が増加し、下げ止まり。
生産活動は、輸送機械、自動車部品が増加し、上向き。
観光は、大雪の影響から、観光地、スキー場への入込客が振るわず、盛り上がりを欠く。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数が震災関連の復旧・復興工事に伴い建設業で増加するなど、緩やかな改善。
先行きは、上向きで推移するとみられている。
【関東】
関東の景況は、生産活動が下げ止まるなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、降雪の影響による来店客の落込みから、大型小売店販売が減少したほか、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、持ち直し。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、上向き。公共工事は、国、独立行政法人等、都県が減少し、足許減少。輸出は、中国向けの一般機械が減少したものの、米国向けの輸送機械が増加し、一進一退。
生産活動は、電気機械、精密機械が増加するなど、下げ止まり。
観光は、温泉地の宿泊客数が振るわず、盛り上がりを欠く。
雇用は、完全失業率が悪化するなど、足踏み。
先行きは、横這い圏内で推移するとみられている
【甲信越】
甲信越の景況は、生産活動が下げ止まり、輸出が足許増加するなど、下げ止まり。
個人消費は、大雪の影響による来店客の落込みから、大型小売店販売が減少したほか、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに減少し、弱含み。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、災害復旧工事や北陸新幹線関連工事の一巡から、減少基調。輸出は、化学製品が増加し、足許増加。
生産活動は、一般機械、情報通信機械、輸送機械が増加するなど、下げ止まり。
観光は、降雪など天候不順の影響から、入込客が減少。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数も増加するなど、やや改善。
先行きは、一進一退で推移するとみられている。
【北陸】
北陸の景況は、輸出が弱含んだものの、設備投資が上向くなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、乗用車販売が減少したほか、大型小売店販売も衣料品を中心に減少し、足踏み。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加し、一進一退。設備投資は、製造業で震災以降抑制してきた投資を再開する動きがみられ、上向き。公共工事は、北陸新幹線関連工事が増加し、下げ止まり。輸出は、一般機械、電気機械、地場産業の眼鏡枠・眼鏡が減少し、弱含み。 観光は、温泉地の宿泊客数が振るわず、低調。
生産活動は、医薬品が高水準を持続したものの、窯業・土石製品が減少し、横這い圏内の動き。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数も増加するなど、やや改善。
先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。
【東海】
東海の景況は、生産活動が下げ止まり、雇用情勢が緩やかに持ち直すなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、乗用車販売が減少したほか、大型小売店販売が百貨店販売、スーパー販売ともに減少し、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、持ち直し。設備投資は、投資計画に慎重姿勢がみられるなど、足踏み。公共工事は、国、独立行政法人等が増加し、上向き。輸出は、自動車、自動車部品が増加し、上向き。
生産活動は、一般機械、情報通信機械、輸送機械が増加するなど、下げ止まり。
観光は、温泉地、観光地の入込客数が振るわず、足踏み。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数が増加するなど、緩やかな持ち直し。
先行きは、上向くとみられている。
【近畿】
近畿の景況は、輸出が下げ止まり、個人消費が足踏みとなるなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、大型小売店販売が食料品、衣料品を中心に減少したほか、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、貸家が増加したものの、持家、分譲住宅が減少し、一進一退。設備投資は、中小企業で慎重な投資姿勢がみられるものの、大企業で投資計画を積み増す動きがみられるなど、下げ止まり。公共工事は、国、県、市町村が増加し、緩やかな持ち直し。輸出は、電気回路機器、科学光学機器が増加し、下げ止まり。
生産活動は、鉄鋼、窯業・土石製品が減少したものの、電気機械、プラスチック製品などが増加し、横這い圏内の動き。
観光は、温泉地、観光地の入込客数が増加するなど、やや上向き。
雇用は、有効求人倍率が上昇するなど、緩やかな改善の動き。
先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。
【中国】
中国の景況は、輸出が上向いたものの、個人消費が足踏みとなるなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、大型小売店販売が食料品を中心に減少したほか、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加し、持ち直し。設備投資は、製造業で投資計画に慎重姿勢がみられるなど、足踏み。公共工事は、国、独立行政法人等が増加し、上向き。輸出は、鉄鋼、北米・欧州向けの自動車が増加し、上向き。 生産活動は、自動車が増加するなど、下げ止まり。
観光は、温泉地、観光地への入込客数が振るわず、低調。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数も増加するなど、緩やかな改善の動き。
先行きは、上向きで推移するとみられている。
【四国】
四国の景況は、生産活動が下げ止まり、個人消費が足踏みとなるなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、大型小売店販売が食料品を中心に減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車が減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、上向き。設備投資は、製造業を中心に投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、国、市町村が増加し、やや上向き。輸出は、船舶、化学製品が増加するなど、足許増加。
生産活動は、輸送機械、パルプ・紙・紙加工品が増加するなど、下げ止まり。
観光は、温泉地、観光地の入込客数が振るわず、盛り上がりを欠く。
雇用は、医療・福祉、建設業で新規求人数が増加したほか、有効求人倍率も上昇するなど、上向き。
先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。
【九州】
九州の景況は、住宅建築が上向いているものの、輸出、生産活動が一進一退となるなど、横這い圏内の動き。
個人消費は、大型小売店販売が百貨店販売、スーパー販売ともに振るわず、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、上向き。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられるなど、下げ止まり。公共工事は、国、県が増加し、上向き。輸出は、精密機械が増加したものの、一般機械、電気機械が減少し、一進一退。
生産活動は、鉄鋼が減少したものの、一般機械、情報通信機械が増加し、下げ止まり。
観光は、観光地、温泉地の入込客が増加するなど、やや上向き。
雇用は、新規求人数が増加したほか、有効求人倍率も上昇するなど、改善。
先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。
【沖縄】
沖縄の景況は、住宅建築、公共工事、雇用情勢が持ち直すなど、回復の動き。
個人消費は、大型小売店販売が食料品や衣料品で減少したほか、乗用車販売も減少するなど、足踏み。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加し、回復に向けた動き。設備投資は、建築着工床面積が増加し、上向き。公共工事は、国、県、市町村が増加し、緩やかな回復。輸出は、一般機械、再輸出品、精油・香料および化粧品類が増加し、持ち直し。 生産活動は、横這い圏内の動き。
観光は、国内線LCC(格安航空)の就航から国内客が増加し、持ち直し。
雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、完全失業率が改善するなど、持ち直し。
先行きは、回復に向けた動きが続くとみられている。 |