地方経済天気図

2013年２月 

今月の総評

～景気は、一部の減産緩和もあって足踏み感が一服～

【北海道】

北海道の景況は、輸出が持ち直しているものの、生産活動が一進一退にあるなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、百貨店販売が飲食料品を中心に振るわなかったものの、スーパー販売で節電関連商品を中心に増加したほか、乗用車販売も増加するなど、やや上向き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、持ち直し。設備投資は、エネルギー関連で投資計画を積み増す動きがみられるほか、医療・福祉関連に建替え・新築の動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、下げ止まり。輸出は、一般機械、北米向けの自動車部品が増加し、持ち直し。

生産活動は、鉄鋼、化学が減少したものの、輸送機械、窯業・土石製品が増加し、一進一退。

観光は、国内客に加え、台湾からの外国人客も増加するなど、緩やかな持ち直し。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、医療・福祉、建設業で新規求人数が増加するなど、持ち直し。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。

【東北】

東北の景況は、設備投資が持ち直し、公共工事が回復に向けた動きにあるものの、輸出が弱含むなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、乗用車販売が普通・小型乗用車、軽乗用車ともに減少したものの、スーパー販売が増加するなど、一進一退。住宅建築は、震災に伴う建替え需要から、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、持ち直し。設備投資は、震災の復旧・復興に伴う投資が増加し、緩やかな持ち直し。公共工事は、震災関連の復旧・復興工事が増加し、回復に向けた動き。輸出は、一般機械、米国・欧州向けの輸送機械が減少し、弱含み。

生産活動は、電子部品・デバイス、精密機械が増加し、上向き。

観光は、悪天候の影響から、温泉地、観光地への入込客が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数が震災復旧・復興工事に伴い建設業で増加するなど、緩やかな改善。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。

【関東】

関東の景況は、住宅建築が持ち直しているものの、輸出が低迷するなど、弱含み。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品、食料品を中心に減少したほか、乗用車販売も減少するなど、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅がともに増加し、持ち直し。設備投資は、製造業で投資計画を積み増す動きがみられるなど、上向き。公共工事は、国、都県が減少したものの、独立行政法人等が増加し、横這い圏内の動き。輸出は、中国・米国向けの一般機械、輸送機械などが減少し、低迷。

生産活動は、電気機械、精密機械が増加し、下げ止まり。

観光は、ホテルの客室稼働率が上昇するなど、上向き。

雇用は、製造業を中心に新規求人数が伸び悩むなど、足踏み。

先行きは、一進一退で推移するとみられている。

【甲信越】

甲信越の景況は、生産活動が低調、観光が盛り上がりを欠くなど、低調。

個人消費は、大型小売店販売が食料品を中心に増加したものの、乗用車販売が減少し、横這い圏内の動き。住宅建築は、持家、分譲住宅が増加したものの、貸家が減少し、一進一退。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、足許減少。輸出は、金属製品、自動車が減少し、一進一退。

生産活動は、一般機械、輸送機械が減少し、低調。

観光は、トンネル事故の影響から、入込客が減少し、盛り上がりを欠く。

雇用は、有効求人倍率が横這いで推移するなど、持ち直しの動きが一服。

先行きは、低調に推移するとみられている。

【北陸】

北陸の景況は、輸出が停滞、観光が低調となるなど、弱含み。

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売が衣料品を中心に増加するなど、横這い圏内の動き。住宅建築は、分譲住宅が増加したものの、持家、貸家が減少し、一進一退。設備投資は、投資計画を縮小する動きがみられ、弱含み。公共工事は、北陸新幹線関連工事が増加し、下げ止まり。輸出は、一般機械、電気機械、地場産業の眼鏡枠・眼鏡が減少し、停滞。

生産活動は、医薬品が高水準を持続したものの、金属製品、窯業・土石製品が減少し、横這い圏内の動き。

観光は、温泉地の宿泊客数が振るわず、低調。

雇用は、新規求人数が減少するなど、足踏み。

先行きは、弱含みで推移するとみられている。

【東海】

東海の景況は、輸出が一進一退にあるものの、住宅建築が持ち直すなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売で衣料品を中心に増加するなど、一進一退。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、持ち直し。設備投資は、投資計画に慎重姿勢がみられるなど、足踏み。公共工事は、県、市町村が増加し、上向き。輸出は、半導体が増加したものの、一般機械、自動車部品が減少し、一進一退。

生産活動は、電子部品・デバイス、化学が増加し、下げ止まり。

観光は、温泉地、観光地の入込客数が振るわず、足踏み。

雇用は、有効求人倍率が上昇するなど、厳しい状況ながら改善。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。

【近畿】

近畿の景況は、輸出、生産活動が低調となるなど、弱含み。

個人消費は、乗用車販売が減少したものの、大型小売店販売が食料品を中心に増加し、上向き。住宅建築は、持家、貸家が増加したものの、分譲住宅が減少し、横這い圏内の動き。設備投資は、大企業、中小企業ともに慎重な投資姿勢がみられ、弱含み。公共工事は、国、独立行政法人等が増加し、緩やかな持ち直し。輸出は、半導体が減少し、低調。

生産活動は、鉄鋼、電気機械が減少し、停滞。

観光は、温泉地、ホテルの宿泊客数が増加するなど、やや上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇するなど、緩やかな改善の動き。

先行きは、 弱含みで推移するとみられている。

【中国】

中国の景況は、生産活動が弱含み、輸出が横這い圏内の動きとなるなど、弱含み。

個人消費は、大型小売店販売が減少したほか、乗用車販売も普通・小型乗用車、軽乗用車ともに減少し、弱含み。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、持ち直し。設備投資は、製造業で投資計画に慎重姿勢がみられるなど、足踏み。公共工事は、独立行政法人等、市町村が増加し、やや上向き。輸出は、半導体製造装置が減少したものの、化学製品が増加し、横這い圏内の動き。

生産活動は、鉄鋼、自動車が減少し、弱含み。

観光は、温泉地、観光地への入込客数が振るわず、低調。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数も増加するなど、緩やかな改善の動き。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。

【四国】

四国の景況は、輸出が一進一退、生産活動が弱含みとなるなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、大型小売店販売が衣料品、家電品を中心に増加したほか、乗用車販売も増加するなど、上向き。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加し、上向き。設備投資は、製造業を中心に投資計画を積み増す動きがみられ、緩やかな持ち直し。公共工事は、国が増加したものの、独立行政法人等、市町村が減少し、足踏み。輸出は、非金属鉱物製品、紙製品が増加するなど、一進一退。

生産活動は、一般機械、輸送機械が減少し、弱含み。

観光は、観光地の入込客数が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、有効求人倍率が上昇するなど、厳しい状況ながら改善。

先行きは、一進一退で推移するとみられている。

【九州】

九州の景況は、住宅建築が上向いているものの、輸出が弱含むなど、横這い圏内の動き。

個人消費は、大型小売店販売が百貨店販売、スーパー販売ともに振るわなかったものの、乗用車販売が増加するなど、一進一退。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅ともに増加し、上向き。設備投資は、製造業、非製造業ともに慎重な投資姿勢がみられるなど、弱含み。公共工事は、独立行政法人等、県が増加し、上向き。輸出は、一般機械、中国向けの自動車が減少し、弱含み。

生産活動は、輸送機械が減少したものの、鉄鋼、非鉄金属が増加し、横這い圏内の動き。

観光は、観光地、温泉地の入込客が増加するなど、やや上向き。

雇用は、新規求人数が増加したほか、有効求人倍率も上昇するなど、厳しい状況ながら改善。

先行きは、横這い圏内で推移するとみられている。 

【沖縄】

沖縄の景況は、公共工事、観光が持ち直すなど、持ち直し。

個人消費は、大型小売店販売が食料品で増加したほか、乗用車販売も増加するなど、緩やかな持ち直し。住宅建築は、貸家が減少したものの、持家、分譲住宅が増加し、底固い動き。設備投資は、建築着工床面積が増加し、一進一退。公共工事は、県、市町村が増加し、緩やかな持ち直し。輸出は、石油製品、金属鉱およびくずが増加し、足許増加。

生産活動は、横這い圏内の動き。

観光は、国内客に加え、台湾や韓国からの外国人客も増加するなど、持ち直し。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、完全失業率が改善するなど、緩やかな持ち直し。

先行きは、持ち直しの動きが続くとみられている。

取材協　一般社団法人全国地方銀行協会