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「カワイイ」で海外進出に内需拡大 印刷
2010年 11月 25日(木曜日) 10:40

Kawaii流 まちおこしを徹底レポート

いまや世界でもっとも知られている日本語のひとつになっている「カワイイ」。その影響は世界中に広がり、各国で大きなブームを生み出している。この世界的にも認められる「カワイイ」を生かせば、地域の活性化にもつなげられるのではないだろうか。

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「東京ガールズコレクション2010 S/S」に参加した京都市のステージ

昨年、外務省は3名の若手ファッションリーダーをポップカルチャー発信使(通称:カワイイ大使)として委嘱した。目的は日本のポップカルチャーを世界へ広めることだ。昨年1年間、カワイイ大使の3名はフランス・パリやタイ・バンコクなどで開催されたイベントに出向いて日本のポップカルチャーの魅力をPRした。

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「東京ガールズコレクション2010 S/S」のステージには門川大作京都市長も登場してPR

そうしたPRが奏功したのか、今年7月、パリで開催された世界最大規模の日本のポップカルチャーの祭典「ジャパン・エキスポ」には、人気キャラクターに扮したコスプレイヤーや「カワイイ大使」に代表される「原宿系古着リメイク」「ロリータ」「制服」といったファッションに身を包んだ若者たちが集まった。今年は昨年を上回る17万人が訪れる盛況ぶりだった。一方、タイでは日本人観光客の誘致にコスプレコンクールを開催し、「コスプレ観光大使」を任命。日本とタイのオタク文化をPRに利用するという。タイでは日本のアニメがテレビで放送されているので、アニメ文化に親しんで育った若者にはコスプレが受け入れられているようだ。

外務省文化交流課の担当者は「いまや世界中で日本のポップカルチャーをテーマにしたイベントが開催され、多くの人たちを集めています。その発信源となっているのが日本の漫画やアニメ、そして原宿に見られる独自のファッションです。これからも『カワイイ』を入り口にして日本文化を発信していきたい。『カワイイ』は驚くほど世界中に浸透しています」と話す。

そもそも「カワイイ」という言葉が世界的に広まり出したのは、ここ数年のこと。日本人にとっては普通の言葉が、なぜこんなにも支持されるのだろうか。

コンテンツメディアプロデューサーで、外務省のポップカルチャー全般のアドザバイザーも務めた櫻井孝昌さんは「外国人が考える『カワイイ』は英語のcute(キュート)とも違い、日本という国に対する独特のイメージが込められています。それはモノづくりに対する日本人のキメ細かさやこだわりの姿勢です。

たとえば、日本のアニメは背景の描き込みからキャラクター設定までとにかくディテールが細かい。そうした特徴が『カワイイ』という概念にも含まれてきているのです」と話す。

櫻井氏の著書『世界カワイイ革命―なぜ彼女たちは『日本人になりたい』と叫ぶのか―』(PHP新書)では、フランス・パリ、スペイン・バルセロナ、ドイツ・デュッセルドルフ、イタリア・ミラノ、タイ・バンコクといった世界各国の都市で、「カワイイ」という言葉が若者たちを熱狂させている様子が描かれている。

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カワイイファッションの店が立ち並ぶ原宿の竹下通り 買物を楽しむ外国人観光客

原宿が「カワイイ」の聖地に

では、世界的に広まる「カワイイ」はどのような経済効果をもたらしているのだろうか。「カワイイ」に関係する産業はアニメ、漫画、ファッションなど多岐にわたる。たとえば、ファッションの場合、「カワイイ」の聖地となっているのが東京・原宿だ。近年、原宿では外国人観光客が急増している。その目的は蕫原宿ファッション﨟の買物だ。

原宿神宮前商店会事務局長の井口泰さんは「最近は、原宿を歩いている人の1割近くは外国人観光客なのではないか。その多くが原宿ファッションの買物を楽しみにしている。以前は欧米のファッション関係者が多かったが、最近は一般人が増えている。人気店では売上げの2割が外国人観光客だといっていた。もはや外国人観光客なしでは考えられない」と話す。

ダマっていても外国人観光客がやってくる原宿だが、4年前から原宿神宮前商店会では「外国人観光客原宿ファッションガイドツアー」を開催している。中国語・英語・韓国語に堪能なツアーガイドが、周辺エリアのショップなどを紹介して回るというもの。ツアーは毎年1回、2月に開催。期間中は約100人の外国人観光客が参加するという。「竹下通りや稲田地区をはじめ、蕫裏原宿﨟など外国人観光客があまり歩かない場所にも行くので、参加者からは『原宿の魅力を再認識した』といった声をいただいている」そうだ。

農業作業の現場にも「カワイイ」

一方、兵庫楽農生活センターの取り組みはユニークだ。同センターは「カワイイ」で農業の活性化をはかろうというのだ。この3月には農作業着のファッションショーを開催した。その名も「野良コレ」。会場では市販の服を組み合わせて15種のコーディネートを提案。手袋やレインブーツにはリボンを付け、ファー付きのオーバーオールにヒョウ柄の長靴を組み合わせるなど、カワイイテイストが人気を呼んだ。

同センター理事長の金川喜八郎さんは「もちろん農業人口を増やすのが目的のひとつですが、男性はなかなか農業に目を向けてくれない。それならばということで女性に注目しました。女性が農業に従事していれば男性も目を向けてくれる。まずは女性に農業に関心を持ってもらいたい、ということでお洒落な作業着をつくることを思いついた」と金川さんは取り組みへの意欲を燃やす。

さっそく金川さんは、HPのコラムで「女性にも着やすいお洒落な農作業着をつくりたい」と呼びかけたところ賛同者が現れたのだ。呼びかけに応じたのは管理栄養士で県嘱託職員の山田奈央子さん、アパレル会社に勤務する小野由香利さん、そのほかイベント企画会社の社長やフリーライターなど8名。このメンバーでファッション推進協議会を設立してショーの準備を進めた。

野良コレには県内企業も注目。園芸資材メーカーのキシボシはコラーゲンを生地に塗り込んで手荒れを防ぐ手袋を、帽子メーカーのマキシンは外作業に欠かせない帽子を、そのほか8社が商品を提供した。「若者の農業への意識が高まっています。より農業に興味をもってもらうためには、ファッションも大事。楽しく農業をしてもらえるよう機能性も含めてご提供したい」と金川さんはいう。

ともあれ、発信力バツグンの「カワイイ」には、モノづくりに対するキメ細かさ、ファッション性、そして意外性が潜んでいるようだ。「カワイイ」を生かせば、内需拡大、世界進出も夢ではなさそうだ。

最終更新 2011年 2月 01日(火曜日) 19:52
 
創業者の熱意から生まれた 沖縄発の人気コスメ「顔を洗う水」 印刷
2010年 10月 20日(水曜日) 11:44

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同社の人気商品「ウォータージェルシリーズ」(化粧品、ジェル、保湿パック)

 カミヤマ美研・創業者の神山稔朗氏は、子どもの頃からの剛毛で毛深いことが悩みだったという。あらゆる脱毛法をためしたが、満足できるものが見つからず、ついに医学博士を雇い入れ、みずから研究開発に乗り出した。こうして開発した脱毛ワックス「カミラ」は女性を中心大ヒット。勢いにノッて那覇に数店舗、脱毛ビューティサロンを開設した。さらに研究を重ねた結果、カミラの成分が古い角質除去にも効果があることが判明。91年にはカミラの技術を生かし、沖縄初の化粧品メーカーとして「顔を洗う水・ウォータージェルシリーズ」の販売を開始した。

 化粧品というとイメージ先行で、派手な広告を打つのが一般的だが、神山さんはあくまで品質にこだわった。実は現社長の川端郁生さんは当時、沖縄のある広告代理店に勤務し、カミヤマ美研を担当し、いつも「社長の製品にかける信念を感じていた」そうだ。その後久米島沖の海洋深層水を配合したチュラサンシリーズを新発売した。そんな矢先の01年、神山氏が急逝。急遽、創業者の長男である神山裕健氏とともに後を継ぐことに。「創業者の遺志をつぶしてはならない」と、必死で働いたそうだ。

 その後、そうした努力が実って川端さんの社長就任以降、神山さんとともに久米島沖の海洋深層水を配合したチュラサンシリーズ、黒糖エキスを加えた洗顔石鹸や美容液なども開発。徐々にラインアップも充実した。

 「物流面でハンデがありますが、やはり沖縄発にこだわり、人材も地域の人を登用していきたい。今後は地理的に近い東南アジアをターゲットにしていく」と意欲を示す。

 創業者の志はしっかりと受け継がれているようだ。

 【会社概要】

(有)カミヤマ美研販売

本社・沖縄県浦添市当山3-3-2

098-870-4522

資本金300万円

従業員9名

http://www.kb-hanbai.com/

 

最終更新 2010年 12月 24日(金曜日) 15:48
 
エコ型冷暖房システム 「エコウィン」を全国へ 印刷
2010年 10月 20日(水曜日) 11:41

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現代住宅にもマッチしたデザイン。冬は暖かく夏は涼しい快適空間を生み出す

エコファクトリーが独自開発したエコ冷暖房システム「エコウィン」が注目されている。このエコウィンは直径6礼神のアルミパイプに温水や冷水を流して部屋の温度を調整する輻射式の冷暖房システム。省エネ効果が高く、一般的なエアコンに比べて消費電力が約33精も少なく、CO2の排出量も少ないのが特徴。「遠赤外線の効果で部屋中をムラなく冷やしたり、暖めることができる」と話すのは社長の村上尊宣さん。現在、住宅用だけでなく、幼稚園、老人ホームや超クリーンルームなどでも採用されているという。

このエコウィン、次世代のエコ冷暖房システムとして注目されているが、最近、意外な業界で話題になっているという。それがオーディオ業界だ。冷暖房システムがなぜオーディオ業界なのか。それは「動作音や風、電源ノイズ等の影響が無いから」だという。

「オーディオファンはエアコンの発するチョットした送風音でも嫌がります。その点、このエコウィンはほとんど動作音がしないので、音楽を楽しむリスニングルームに最適なのです」と村上さんはいう。事実、エコウィンはオーディオ専門誌で取り上げられ、その静寂性と快適性が高く評価された。おかげで、オーディオ愛好家のからのご指名も増えているという。

とはいえ、ターゲットはやはり「エコ」「省エネ」住宅。現在、全国の工務店、ビルダー等との提携を進めている。村上社長は全国からのエコ住宅の視察受け入れや、さらにエコカーを駆って日本全国を回っている。今夏は一週間で2000礰神を走破したそうだ。

こうした販売活動のおかげで、このところ売り上げは急上昇、早くも成長企業として注目されている。

 【会社概要】

 (株)エコファクトリー

本社・熊本県熊本市水前寺2-17-7

096-381-7033

設立96年

資本金2200万円

従業員8名

http://www.ecofactory.jp/index.html

 

最終更新 2010年 12月 24日(金曜日) 15:49
 
原発の海外向けプラント輸出が始動!! 印刷
2010年 10月 15日(金曜日) 12:43
  9月14日、米カリフォルニア州で計画中の新幹線建設のため、アーノルド・シュワルツェネッガー知事がJR東日本の最新型新幹線「E5系」に試乗したことが話題になった。現在、日本政府は新幹線をはじめとして、海外でのインフラ開発の受注を取ろうと意欲を燃やしている。そこで、今号では日本の技術力が詰め込まれた原発プロジェクトの可能性とそれを下支えする中小企業についてレポートする。

海外展開が盛んになる 日本のインフラ技術

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柏崎刈羽原子発電所(新潟県柏崎市)

前原誠司前国土交通大臣(現・外務大臣)は「ふるさとテレビ月例セミナー」で「新幹線や原子力発電所などのインフラ技術の海外展開を官民一体で取り組んでいきたい」と話していた。この発言の通り、7月には経済産業省と東京電力、関西電力、中部電力などの電力会社、日立製作所製作所、東芝、三菱重工業業などの大手メーカーが官民共同で原子力発電所海外展開の新会社を設立することを発表し、設立準備をすすめているという。

このプロジェクトの狙いは「オールジャパン」としての結束力を高めていくことだが、その背景には昨年末の国際入札での一件があった。アラブ首長国連邦での原発プロジェクトで、韓国に競り負けたことがこのプロジェクト結成に。このときの入札にはフランスやアメリカなども参加していたが、韓国以外はまとまりに欠け、かつ金額面でも相当な開きがあったといわれている。

東京電力国際部の小島英夫氏は「原発はプラント1基で4000億円というビッグプロジェクト。これだけの規模のものは官民一体でないと不可能に近い。そういう意味では、今度の新会社は大きな前進といえます。まずは、ベトナムで予定されている原発プロジェクトを受注しようと意気込んでいます」と話している。

こうした政府の動きについて、(社)日本原子力産業協会の石塚昶雄常務理事は「かつては国内の電力供給が第一だったということもありますが、途上国における安全面などの懸念から、原発の海外展開は大きな壁がありました。私たちが東南アジアに連絡事務所を開くだけでも大変なことでした。それを考えれば今の状況は、夢のような出来事です」と話す。 では、日本の原発は何をウリにできるのか。経済産業省原子力政策課長の三又裕生氏は「日本が世界にPRできるのは、なんといっても安全性です。スリーマイル島事故(79年、米)やチェルノブイリ事故(86年、旧ソ)以降、世界的に原発は『冬の時代』を迎えましたが、日本は着々と開発をつづけてきました。唯一の被爆国ということもあり世論も厳しかったのですが、それが世界に類を見ないほどの高い安全性を実現したのです」と分析する。 さらに日本の原発は耐震性においても高い評価を得ている。たとえば、07年の新潟県中越沖地震の際、柏崎刈羽原発では「止める、冷やす、閉じ込める」という安全機能が働いて自動停止したことで、IAEA(国際原子力機関)から評価された。その安全性の高さはデータにもハッキリと表れている。別表のとおり、91年から08年まで世界の原発におけるトラブルは約120件も発生しているが、日本ではレベル2が1件のみということからも明らかだ。

日本のモノづくりに 期待感が高まる

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建設中の島根原子力発電所

温室効果ガスの削減、原油価格高騰への対応、化石燃料の依存脱却という潮流もあり、日本の原発セールスが活発化するのは間違いなさそうだ。しかも、日本の原発技術は世界屈指であり、大きな可能性を秘めている。また、原発を世界に売り込むことができれば、三菱重工業、日立製作所、東芝といった原発プラントメーカーを支える約3000~5000社に上るサプライチェーン(支援技術群)の底上げにもなると期待がかかっている。

原発はバネからナット、バルブに至るまで、安全性を重視した特殊な部材で構成されている。そして、それに関わる企業は日本製鋼所(東京都品川区)や岡野バルブ製造(福岡県北九州市)のような上場企業から、社員数名の中小企業まで非常に裾野が広い(別表参照)。 なかでも北海道室蘭市で原子炉容器などを生産する日本製鋼所は、世界で唯一、原子炉容器の中核部から単一の鋼塊をくり抜いて、放射能漏れの恐れが少ない炉を製造することができる企業だ。その技術力ゆえに、世界中の原発メーカーからの受注が相次いでいるという。

社員45名のハードロック工業(大阪府東大阪市)も原発建設にはなくてはならぬ企業だ。主力商品は緩み止めナット「ハードロックナット」。これは凹凸形状のダブルナット構造で、凸ナットの突起部を若干編心加工させることで、ボルトとナットのスキ間にクサビを打ち込んだ状態にし、ねじの緩みを防止することができるというもの。企画部の林雅彦氏は「原子力施設には、主にステンレス鋼、軟鋼、熱処理鋼などが使われます。市販品と異なり、全数検査を実施し、材料証明書や検査証明書を添付します」と。同社の売上高は現在、年間12億円だが「3年後に20億円にするのが目標。海外の原発メーカーにもPRし、輸出の割合を現在の1割から3年後には3割まで高めたい」と意欲的だ。

ただ、サプライチェーンを形成している中堅・中小企業は二極化しているといわれている。一方はビジネスを拡大できると判断し、海外進出にも積極的な企業。もう一方は継続的に利益を得ることが難しい上に、仕様が厳格でリスクも大きいのでやめたいという企業に分れる。日本政府や大手プラントメーカーは後者のような企業への配慮も十分に行っていく必要があるのではないだろうか。

ところで、原発の海外展開では後発の日本勢だが、三菱重工業や日立製作所、東芝といったプラントメーカーは、海外の原発メーカーを買収・提携することで力をつけている。とくに東芝によるウェスティングハウス(WH)社の買収(06年)は大きな出来事だった。WH社は加圧水型原子炉(PWR)の世界的メーカーであるため、PWRが主流の欧州市場への展開が期待できるようになったのだ。

そのほか、日立製作所は米ゼネラル・エレクトリック(GE)とともに合弁会社「日立製作所GEニュークリア・エナジー」を設立し、2023年までに英国に原発を新設するプランを立てている。一方、三菱重工業は仏アレバ社と提携を結んでいる。

また、東京電力は米国が初めて改良型沸騰水型軽水炉(ABWR)を採用する「サウステキサスプロジェクト原子力発電所3・4号機増設プロジェクト」に最大250億円の出資参画を発表している。日本の電力会社としては初めて、海外における原発事業へ出資参画することになった。このように原発の海外展開に向けた取り組みは、すでに始まっているのである。

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クサビの原理を応用し、強い緩み止め効果を発揮する「ハードロックナット」

巨大な中国市場への期待

日本政府は当面はベトナム原発の受注に注力するとのことだが、中国における原発プロジェクトについても興味を示しているようだ。なんといっても、中国では市場規模が巨大だからだ。前出の三又氏は「中国の原発は運転中のものが11基、建設中が18基あります。急速に伸びる電力需要と世界的なCO2削減の流れから、これから中国政府は100基以上の建設を目指していくといわれています。現在の設備容量は9GWですが、2025年には189GWにまで拡大する見通しで、2030年には米国の規模を抜いている可能性があります」と話す。

 また、前出の石塚氏は「中国の技術水準は十分に高くなっている。5段階評価ならレベル4に達しているのではないか」と。ただ、急速に原発を増設した場合、関連する法整備、人材と安全性を継続して確保できるかといった課題も出てくるので、注意しなければならない。

 なお、中国政府は原発に関して、段階的国産化を志向しており、プラント全体を海外メーカーに発注する可能性は低いという。それでも部材輸出だけでも相当の規模があるため、日本の中小企業にも大いにチャンスがあるのではないだろうか。

 東京電力でも「海外展開を事業の柱に置くビジョンを発表したばかり。中国においては今年度中に北京事務所を設立し、情報収集や現地高官との調整などをはかっていく」(前出・小島氏)と話している。

 中国はとくに人脈を重視する国である。中央政府から地方政府に至るまで、顔なじみになって情報交換することから始めるのが大事ではないだろうか。

 原子炉の種類

 原子炉は大きく分類して、沸騰水型原子炉(BWR)と加圧水型原子炉(PWR)に分けられる。BWRは米ゼネラルエレクトリック(GE)の技術を導入した東芝と日立製作所で製造されており、PWRは米ウェスティングハウス(WH)の技術を導入した三菱重工業で製造されている。しかし、06年に東芝がウェスティングハウスを買収したことで業界再編がすすんでいる。なお、世界的にはPWRの新規建設が目立っているようだ。

 

最終更新 2010年 10月 26日(火曜日) 17:04
 
花火大会で 長引く不況を 吹き飛ばせ!! 印刷
2010年 8月 09日(月曜日) 15:37

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花火大会のシーズン。昨年はリーマンショックの影響で中止を余儀なくされた花火大会が続出した。が、今年は再開の動きが出てきた。その背景には景気回復に対する住民や企業の思いが。集客力バツグンの花火大会は地域への波及効果も大きい。そこで花火大会の"まちおこし力"に迫ってみた。

昨年の花火不況から今年は復活のキザシ


昨夏、全国で中止となる花火大会が相次いだ。理由は不況による企業からの協賛金不足だ。協賛金が思うように集まらないため、大会を中止するところ、打ち上げ数を減らしたり、規模を縮小して開催するところも出た。

はたして今年はどうなっているのだろうか。たとえば静岡県袋井市では規模を縮小して開催するという。3万発を打ち上げる日本最大級の花火大会「ふくろい遠州の花火」は昨年、協賛金不足により中止に追い込まれたが、今年は再開にこぎつけた。打ち上げ数は2万発以上と多少の規模縮小はあるものの、関係者からは安堵の声が上がっている。

ふくろい遠州の花火実行委員会の角替直樹さんは「昨年の協賛金は前年の4割程度という結果になり、しかたなく中止となりましたが、多くの市民から復活してほしいという声がありました。そこで今年は『絶対に再開する!!』という強い決意を持って早くから協賛金のお願いにまわりました。多少景気が回復してきたことも影響していますが、企業も花火大会に対する思いが強く、当初予算を上回る協賛金を集めることができました」と話す。

協賛企業のひとつ遠州トラック㈱総務の鈴木初夫さんは「花火大会は多くの人が集まるので、地方都市にとっては有力な情報発信の場になります。昨年は残念でしたが、今年は開催できるので喜んでいます。当社としてもこのご時世、経営は磐石ではありませんが、少しでも役に立ちたい」と話す。

名物花火大会復活の裏には、関係者の花火大会に対する熱い思いがあるようだ。

 

集客力バツグン花火大会の経済効果


ところで、花火大会にはどれほどの経済効果があるのか。7日に開催される厚木市の「あつぎ鮎まつり花火大会」は打ち上げ数1万発、58万人が来場する県下最大級の花火大会だ。昨年の厚木市の試算によれば、祭り期間中の3日間の経済効果は、飲食費が6億1040万円、買物費が4億5780万円、交通費が1億1445万円となっている。合計11億8265万円。花火大会は1日だけの開催なので、3分の1にしたとしても4億円近い経済効果があることになる。花火大会の開催費用は約5000万円ということなので、十分に投資効果はあるという計算になる。

「準備・運営にかかる費用に観光客が落とすお金、大勢の人が集まることで生まれる効果ははかり知れません」と厚木市観光振興課では話す。

実際に花火大会の経済効果をうまく生かしているのが静岡県の熱海温泉だ。熱海では昭和27年から「熱海海上花火大会」を開催している。その特徴は開催回数にある。4月(1回)、7月(2回)、8月(5回)、9月(1回)、12月(3回)と、シーズンごとに計12回、花火大会を開催しているのだ。主催は熱海温泉ホテル旅館協同組合(10回)と熱海市(2回)。夏の花火大会(5回)の開催費用はすべて組合員によるものだという。

「かつては旅行会社が地元の加盟店から出資を募って花火大会を開催していたのですが、それでは不公平になってしまうということで、平成5、6年頃からすべて組合で開催することにしました。そうすることで組合員の意識も高くなりました」と話すのは熱海温泉ホテル旅館協同組合専務理事の土屋基さん。

熱海海上花火大会の打ち上げ数は、夏5000発、冬3000発。観客数は夏場が約2万4000人、冬場でも「大会当日は宿泊客が2~3割増になる」という。開催費用は約1000万円。「組合員みなで出し合っているので負担は大きくない。全体の波及効果を見れば十分採算は取れている」そうだ。

 

人を呼び寄せる花火まちおこしにも活用


「花火の集客力は大きな可能性を秘めている」と話すのは㈱丸玉屋の小勝敏克代表取締役。丸玉屋は1990年に創業。花火ショーの企画・演出・プロデュースなどを行っている。94年に日本の花火業界では初となる花火専用のコンピュータシステムを導入。さらに「花火と音楽」をシンクロさせた画期的な花火ショー「花火ファンタジア」を開発。テーマパーク・遊園地、競馬場・競輪場、コンサート会場、テレビCM、スポーツイベントなど、さまざまな分野に花火を広めてきた蕫エンターテイメント花火﨟のパイオニアだ。

「花火は集客力・注目度が高いということで企業も協賛してくれます。当社が手がけるライブイベントやテーマーパークの花火がそうです」と。だから「そうした花火大会はもっとインパクトがあってもいい。当社では主催者のニーズに合わせた演出を心がけています」と小勝社長は話す。

花火の集客力とニーズに合わせた演出、これらを組み合わせれば花火を地域活性化にも生かせるのではないだろうか。公園などの広いスペースを会場にして、地域の商店などを呼び込み、特産品の販売などと組み合わせれば地域おこしのイベントになるはずだ。開催費用については、小規模のものであれば「150万~200万で可能」ということなのでハードルはそれほど高くない。

とまれ、花火の人を呼び込む力には大きな可能性を秘めている。4、5頁で各地のオススメ花火大会を紹介しているので、その活用法をさぐってみてはいかがだろうか。



 

 

昨年の花火不況から

今年は復活のキザシ

昨夏、全国で中止となる花火大会が相次いだ。理由は不況による企業からの協賛金不足だ。協賛金が思うように集まらないため、大会を中止するところ、打ち上げ数を減らしたり、規模を縮小して開催するところも出た。

はたして今年はどうなっているのだろうか。たとえば静岡県袋井市では規模を縮小して開催するという。3万発を打ち上げる日本最大級の花火大会「ふくろい遠州の花火」は昨年、協賛金不足により中止に追い込まれたが、今年は再開にこぎつけた。打ち上げ数は2万発以上と多少の規模縮小はあるものの、関係者からは安堵の声が上がっている。

ふくろい遠州の花火実行委員会の角替直樹さんは「昨年の協賛金は前年の4割程度という結果になり、しかたなく中止となりましたが、多くの市民から復活してほしいという声がありました。そこで今年は『絶対に再開する!!』という強い決意を持って早くから協賛金のお願いにまわりました。多少景気が回復してきたことも影響していますが、企業も花火大会に対する思いが強く、当初予算を上回る協賛金を集めることができました」と話す。

協賛企業のひとつ遠州トラック㈱総務の鈴木初夫さんは「花火大会は多くの人が集まるので、地方都市にとっては有力な情報発信の場になります。昨年は残念でしたが、今年は開催できるので喜んでいます。当社としてもこのご時世、経営は磐石ではありませんが、少しでも役に立ちたい」と話す。

名物花火大会復活の裏には、関係者の花火大会に対する熱い思いがあるようだ。

 

集客力バツグン

花火大会の経済効果

ところで、花火大会にはどれほどの経済効果があるのか。7日に開催される厚木市の「あつぎ鮎まつり花火大会」は打ち上げ数1万発、58万人が来場する県下最大級の花火大会だ。昨年の厚木市の試算によれば、祭り期間中の3日間の経済効果は、飲食費が6億1040万円、買物費が4億5780万円、交通費が1億1445万円となっている。合計11億8265万円。花火大会は1日だけの開催なので、3分の1にしたとしても4億円近い経済効果があることになる。花火大会の開催費用は約5000万円ということなので、十分に投資効果はあるという計算になる。

「準備・運営にかかる費用に観光客が落とすお金、大勢の人が集まることで生まれる効果ははかり知れません」と厚木市観光振興課では話す。

実際に花火大会の経済効果をうまく生かしているのが静岡県の熱海温泉だ。熱海では昭和27年から「熱海海上花火大会」を開催している。その特徴は開催回数にある。4月(1回)、7月(2回)、8月(5回)、9月(1回)、12月(3回)と、シーズンごとに計12回、花火大会を開催しているのだ。主催は熱海温泉ホテル旅館協同組合(10回)と熱海市(2回)。夏の花火大会(5回)の開催費用はすべて組合員によるものだという。

「かつては旅行会社が地元の加盟店から出資を募って花火大会を開催していたのですが、それでは不公平になってしまうということで、平成5、6年頃からすべて組合で開催することにしました。そうすることで組合員の意識も高くなりました」と話すのは熱海温泉ホテル旅館協同組合専務理事の土屋基さん。

熱海海上花火大会の打ち上げ数は、夏5000発、冬3000発。観客数は夏場が約2万4000人、冬場でも「大会当日は宿泊客が2~3割増になる」という。開催費用は約1000万円。「組合員みなで出し合っているので負担は大きくない。全体の波及効果を見れば十分採算は取れている」そうだ。

 

人を呼び寄せる花火

まちおこしにも活用

「花火の集客力は大きな可能性を秘めている」と話すのは㈱丸玉屋の小勝敏克代表取締役。丸玉屋は1990年に創業。花火ショーの企画・演出・プロデュースなどを行っている。94年に日本の花火業界では初となる花火専用のコンピュータシステムを導入。さらに「花火と音楽」をシンクロさせた画期的な花火ショー「花火ファンタジア」を開発。テーマパーク・遊園地、競馬場・競輪場、コンサート会場、テレビCM、スポーツイベントなど、さまざまな分野に花火を広めてきた蕫エンターテイメント花火﨟のパイオニアだ。

「花火は集客力・注目度が高いということで企業も協賛してくれます。当社が手がけるライブイベントやテーマーパークの花火がそうです」と。だから「そうした花火大会はもっとインパクトがあってもいい。当社では主催者のニーズに合わせた演出を心がけています」と小勝社長は話す。

花火の集客力とニーズに合わせた演出、これらを組み合わせれば花火を地域活性化にも生かせるのではないだろうか。公園などの広いスペースを会場にして、地域の商店などを呼び込み、特産品の販売などと組み合わせれば地域おこしのイベントになるはずだ。開催費用については、小規模のものであれば「150万~200万で可能」ということなのでハードルはそれほど高くない。

とまれ、花火の人を呼び込む力には大きな可能性を秘めている。4、5頁で各地のオススメ花火大会を紹介しているので、その活用法をさぐってみてはいかがだろうか。

最終更新 2010年 8月 11日(水曜日) 17:27
 
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