国内初の本格的なダムの撤去となった熊本県八代市坂本町の県営荒瀬ダムの工事が終わり27日、現地で撤去完了式典が開かれた。初の撤去事例としてその過程が克明に記録された他、瀬や砂州などかつての清流が復活し、生態系への好影響が期待されている。荒瀬ダムは球磨川中流に1955年に建設された発電専用ダム(高さ約25メートル、幅約211メートル)。ダム湖にたまった汚泥による環境悪化などから、地元の要望を受けた潮谷義子前知事が2002年に7年後の撤去開始を決めた。総事業費は約84億円で、うち16億円は国から補助を受けた。
熊本県は20日、県のPRキャラクター「くまモン」を利用した商品の2017年の年間売上高が、好調な海外販売などを背景に少なくとも1408億7000万円に上り過去最高だったと発表した。16年は1280億2000万円。調査開始後の7年間の累計売上高は、5000億円を超えた。全体の主な内訳はくまモンのパッケージを使った県産トマトやイチゴなどの食品が約1195億円、ぬいぐるみなどのグッズは約214億円。
水俣病の過酷な世界を描いた代表作「苦海浄土」で知られ、2月に90歳で亡くなった作家、石牟礼道子さんをしのぶ回顧展が、熊本県水俣市の市立水俣病資料館で開かれている。入場は無料。月曜休館で3月末まで。回顧展では、石牟礼さんと水俣病との関わりを伝えるパネル16枚を展示する。患者らに加わって昭和40~50年代に原因企業のチッソ側と交渉した際の様子など、支援活動の足跡をたどっている。著書の閲覧コーナーも用意した。
熊本県は2018年度、県内の中小企業にUターン就職した大学生の奨学金を企業と折半し、全額返還する制度を新設する。人材確保に苦労する企業に地元出身者の入社を促し、人口減対策につなげたい考え。奨学金返還に苦しむ若者の増加にも対応する。県によると、18年度は企業と学生に制度を周知。賛同する企業の情報を学生に提供し、19年度の就職活動の参考にしてもらう。学生の入社後、分割払いで奨学金を返還する。