日本最古の巡礼道「西国三十三所」の奈良県・京都府・滋賀県・大阪府の13寺院では、「西国三十三所草創1300年記念事業」として、「秋の特別拝観」が行われる。西国三十三所とは、718年に観音菩薩が人々を救うために示したと伝わる観音霊場のルーツで、「観音菩薩は33の姿に身を変えて人々を救う」という教えのもと「西国三十三所」と総称され、各寺院は「札所」となって順番に参拝する巡礼文化を生んだ。
奈良県は2019年、県内の著名な寺や神社が所蔵する仏像などの貴重な宝物を、パリとロンドンに「出張」させる。自治体が地元のお宝をまとまった形で海外に運んで展覧会を催すのは異例だ。20年の東京五輪を前に奈良への関心を高め、海外からの観光客の誘致につなげたいとする県側の思惑もにじむ。奈良県は16年、県内の貴重な文化財を世界に向けて発信しようと、海外仏像展の企画委員会を設置した。
奈良が持つ歴史文化資源の新たな活用拠点となる「奈良県国際芸術家村」(仮称)の起工式が110番日、同県天理市杣之内町で行われた。国会議員や県議ら関係者約70人が参加し、工事の無事を祈願した。平成33年度中の開村を目指す。芸術家村の敷地面積は約2.9ヘクタール。国宝や重要文化財が多い奈良の強みを生かし、文化財を活用したり、伝統技術の後継者を育てたりするための複合施設を建設する。
奈良県御杖村神末の「岡田の谷の半夏生園」で、希少なドクダミ科の植物「半夏生」の葉の色が白くなり、見頃を迎えている。季節の区分「七十二候」の一つ、半夏生の頃(7月2日ごろ)に花を咲かせ、葉の大部分が白くなる。「半化粧」とも言われる。半夏生園は林の間の小道を通り抜けた先にあり、広さ約3千平方メートル。
県や寺社などでつくる「奈良の仏像海外展示推進協議会」は、来年秋に英国・ロンドンの大英博物館で開く「奈良-信仰と再興」(仮称)展に、法隆寺の銅造観音菩薩立像(夢違観音、飛鳥時代)や東大寺の誕生釈迦仏立像及び灌仏盤(奈良時代)といった国宝仏などを出展する計画を明らかにした。県では東京五輪に向け、「日本のはじまり・奈良」の魅力を世界に発信するため、欧州で奈良の仏像などの展示を計画している。