4月14日に部分開通した新東名高速道路。東名高速道路の事故
や渋滞を緩和するために、東名に平行してその内側に造られた高
速だ。現在は静岡県部分のみの開通となっているが、2020年度
には神奈川県海老名市から愛知県豊田市を結ぶ全長254㌔㍍の高
速道路になるという。はたして、この最新の〝巨大インフラ〟は地
域にどのような影響をもたらすのか。新東名周辺の自治体の声を
中心にまとめてみた。
4月14日に部分開通した新東名高速道路。東名高速道路の事故や渋滞を緩和するために、東名に平行してその内側に造られた高速だ。現在は静岡県部分のみの開通となっているが、2020年度には神奈川県海老名市から愛知県豊田市を結ぶ全長254㌔㍍の高速道路になるという。はたして、この最新の〝巨大インフラ〟は地域にどのような影響をもたらすのか。新東名周辺の自治体の声を中心にまとめてみた。
ついに部分開通をはたした新東名東京―名古屋間の移動がスムーズに
渋滞が多く、事故発生率も高いといわれる東名高速道路。この問題を解決するために、4月14日、ついに新東名高速道路が部分開通した。開通したのは御殿場JCT~三ヶ日JCT間の約162㌔㍍。この後、2014年度には浜松いなさJCT~豊田東JCTの約53㌔㍍が開通し、最終的には2020年度に伊勢原北IC~御殿場JCT間が開通することで、海老名南JCT~豊田東JCT間の全長254㌔㍍の高速道路が完成する予定になっている。
新東名は東名の内側に造られ、山間部の合間を縫うように敷設されている。その道はカーブが少なく、走行距離も東名に比べて約10㌔短縮されている。新東名を運営する中日本高速道路(株)の発表によると、新東名御殿場JCT〜三ヶ日JCT間の開通後1カ月間の平均交通量は、平日が1日当たり4万1000台、休日が同5万7000台。東名高速との合計は同8万3500台に上り、全体の交通量は20㌫増になったという。
全体的な交通量の増加はもちろんのこと、サービスエリア(SA)やパーキングエリア(PA)に設置された商業施設にも注目が集まっている。新東名に設置された7カ所の複合型商業施設「NEOPASA(ネオパーサ)」の延べ来場者数は593万人を記録し、SA・PA計13カ所の売上げの合計は28億円に上ったという。また、東名の並行区間(20カ所)を合わせた売上げは39億円で、前年同期の2・4倍になったという。
ちなみに、施設名のネオパーサは新しいという意味の「NEO」にPA、SAを組み合わせて名付けられたもの。一般道からも自由に往き来できる「スマートインターチェンジ」(高速道路の本線やサービスエリア、パーキングエリア、バスストップから乗り降りができるように設置されるインターチェンジ)を採用しており、早くも地域住民の新たな買い物スポットとして機能しているようだ。現に新東名・駿河湾沼津(静岡県沼津市)SAで地元の買い物客に話を聞くと「新鮮な魚介類や野菜を販売しているコーナーがあるので、日常的に買い物に来ている」という返事が。
もちろん、ネオパーサには観光地としての魅力もタップリ。たとえば、人気アニメ「機動戦士ガンダム」をデザインに取り入れるなどした衣料品店や有名ブランド「ビームス」の飲食店、地域ごとの特産品を販売する店舗など合計121店が出店しているという。
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