村田製作所は15日、ソニーの旧根上工場(石川県能美市)を2017年度中に取得すると明らかにした。18年春からスマートフォン向けの部品を生産する。工場取得後の設備投資も含めた総投資額は300億〜400億円になる見込み。米アップルのiPhone向けなどスマホの薄型化に対応した高機能の部品を増産し、収益拡大を目指す。
同工場ではソニーがカメラ向けの部品を手掛けていたが、14年に生産を休止。別の企業に貸与し、半導体の組み立てに使われていたが、今年に入ってこの企業も撤退したため村田製作所が取得を打診していた。
日本とインドネシアの両政府は、海上で液化天然ガス(LNG)による火力発電を行う「LNG発電船」を、インドネシアの島々に整備する検討に入る。土地を確保しなくても、短期間で発電を始められる利点がある。島々で構成する国が多いアジア・太平洋地域での需要が見込め、新たなインフラ(社会基盤)輸出の柱として期待される。経済産業省によると、本格的な海上のLNG発電は世界初の事例となる。両政府は、16日にも署名を交わし、作業部会を設けて詳細の検討に入る。数年内の実用化を目指す。
トヨタ自動車労働組合(約6万8千人)は14日、愛知県豊田市で定期大会を開いた。11年ぶりに委員長が交代して迎える初の大会で、9月に就任した西野勝義委員長は「女性や高齢者の活躍に向けて働き方の変革がさらに必要だ」との考えを強調した。大会では、裁量労働の仕組みを中堅社員に導入する会社側の提案を可決した。係長級の総合職約7800人を対象に、実際の残業時間に関係なく45時間分の手当に相当する17万円を毎月支給する。
パナソニックは欧州の冷蔵庫と洗濯機の事業から撤退する方針を固めた。スロベニアの家電大手、ゴレーネに委託していた両製品の生産を終了した。同市場は独BSHやスウェーデン・エレクトロラックスといった現地メーカーが強く、シェアを拡大できなかった。ゴレーネへのビルトインキッチンの生産委託は継続する。冷蔵庫と洗濯機は中国、東南アジア、インドに経営資源を集中する。