東京電力福島第一原発の汚染水対策で3月末に凍結を始めた凍土壁について、東電は25日、徐々に壁の一部が凍ってきたとして「地下水を遮る効果が表れ始めている」とする観測データを原子力規制委員会の検討会に報告した。一方で地下水が地下配管に流れたと見られる場所もあり、東電は監視を続けるとしている。凍土壁は、1~4号機の建屋を取り囲んで作る「氷の壁」。地下30メートルまで埋め込んだ凍結管に零下30度の液体を循環させて周りの土を凍らせ、建屋に流れ込む地下水を遮るのが狙い。
文化庁は25日、昨年度始めた「日本遺産」に、「政宗が育んだ“伊達”な文化」や「“日本最大の海賊”の本拠地:芸予諸島」など新たに19件を認定した。有形・無形の文化財を織り込んだ「ストーリー」を通して土地の歴史や文化を国内外に発信し、地域の活性化を狙う。今回を含め計37件となった認定数を、2020年度までに100件程度まで増やす方針だ。
政府は25日午前、熊本、大分両県で相次ぐ地震の激甚災害への指定を持ち回り閣議で決定した。被災自治体の災害復旧事業に対する国の補助率が上積みされ、自治体は少ない負担で事業を実施できる。安倍晋三首相は24日に麻生太郎副総理兼財務相に復旧・復興のための平成28年度補正予算案の編成を指示しており、被災者の生活再建に全力を挙げる。
20年東京五輪・パラリンピック組織委員会は25日、都内で、一度白紙撤回された大会公式エンブレムの再選定最終審査を行い、五輪とパラリンピックが一対になった最終候補4作品の中から、A案の「市松模様」を選出した。最終審査ではプロ野球ソフトバンクの王貞治球団会長ら21人の委員が投票し、過半数を得た作品を選出。A案の「市松模様」、B案の「輪」、C案の「風神雷神」、D案の「朝顔」の中から、A案が選ばれた。午後の理事会での承認を得て、発表された。
ハンセン病患者が当事者となった裁判を裁判所外に隔離して設置された「特別法廷」で審理した問題を検証してきた最高裁は25日、調査報告書を発表した。会見した最高裁の今崎幸彦事務総長は「昭和35年以降は合理性を欠く差別的運用だった」として、特別法廷とした手続きが裁判所法に照らして違法だったと認めた上で「差別を助長し、人格・尊厳を傷付けたことを深く反省しお詫び申し上げる」とハンセン病患者に謝罪の意を表明した。