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東方通信社発行 学苑報
OKI |
2010年 9月 07日(火曜日) 00:00 |
日本人の勤勉さと中国人のエネルギー 両国の資質を生かして飛躍を遂げる!! OKIは02年、中国にソフトウェア開発会社「沖電気軟件技術(江蘇)有限公司」を設立。当時、会社の立ち上げから関わっていたのが、総経理の馬衛東さんだ。 馬さんは33歳のときに大手IT企業を退職して日本に留学。1年間、日本語を学んだ後OKIに入社した。「当時は通信関係の仕事を専門としていたので、すぐれた通信関連の技術を持つOKIで最先端の技術を学びたかった」と馬さんは話す。 入社して馬さんはいきなり驚かされたという。OKIは日本人、中国人合わせて1000人近い新入社員を集めて、箱根で泊り込みの新人研修を行ったのだ。社会人としての心得、ビジネスマナー、会社の経営理念などを徹底的に叩き込まれた。 「日本の成熟した企業文化を感じた。会社を発展させるためには人材教育が大切だということを学んだ」そうだ。 その後、馬さんはインターネット電話用の交換機ソフトの開発など、情報通信の分野を中心に活躍。02年にはOKIが江蘇省常州市に設立した100㌫出資子会社の「沖電気軟件技術(江蘇)有限公司」の総経理に抜擢された。当時は日系企業としては初の中国人社長として話題を呼んだ。同社は日系企業からの依頼で情報通信システムのソフトウェア開発を手がけていたが、当初の経営は思わしくなかったという。「中国人が中心の新しい企業なのでなかなか信用してもらえなかった」からだ。 そこで馬さんは日本で学んだことを生かして人材教育に力を入れることに。会社の方向性や仕事に対する姿勢、日本の商習慣をレクチャーし、社員の育成に力を入れた。さらに馬さんは製品の品質にもこだわった。たとえば2人で担当する仕事ならば3人で手がけ、納期よりも早く仕上げる。そして徹底的に品質のチェックを行って万全を期した。 「日系企業は何よりも品質を重視します。その姿勢を徹底したことで、クライアントからは徐々に信頼を得るようになってきた」そうだ。 創業以来、同社の売り上げは右肩上がり。設立当時40名だった社員は200名にまで増えた。「スタッフには最高の環境で能力を発揮してもらいたい」という考えから馬さんは職場環境にも気を使う。日本語の教育制度を実施し、福利厚生にも力を入れている。おかげで同社では若手スタッフの定着率が高いという。現在、同社はソフトウェア開発の分野では常州市でトップ、江蘇省ではトップ10、中国全土ではトップ100に入るまでに成長した。 「中国人のスタッフには日本人の仕事に対するまじめさ、勤勉さを伝えるようにしています。中国人が持つ前向きなパワーと日本人の勤勉さが組み合わさることで当社は力を発揮できているのです」と馬さんは話す。 ところで、馬さんは08年からは市の議員として地域の発展にも力を注いできた。「OKIのすぐれた技術を広めたことが評価されました。これからも日本で学んだことを生かして、中国で新しい企業文化を築いていきたい」と馬さんは抱負を語る。 【中国人留学生へのメッセージ】 夢や目標を持つことでいま、何をやるべきかが見えてくると思います。そしてやると決めたらあきらめずに粘り強くつづけること。仕事は一生懸命やってほしい。 会社プロフィール 2001年12月にOKI(1881年、日本で初めて電話機を製造した情報通信機器メーカー)の100%子会社として設立、OKIグループの情報通信分野での技術実績を基に、通信ネットワーク、組込みシステムに関わるコンサルティング、アプリケーション開発から、ネットワークの運用支援サービス等、トータルソリューションを提供している。 沖電気軟件技術(江蘇)有限公司 本社:江蘇省常州市常州軟件園Ⅱ期A棟25階 支社:北京/上海、事務所:南京/広州 Tel:+86-519-85122111 http://www.okijs.com/ 沖電気軟件技術(江蘇)有限公司 http://www.oki.com/cn/ 沖電気(中国語) http://www.oki.com/jp/ 沖電気(日本語) |