宮城県が発表した平成29年観光統計概要(速報値)によると、観光客入り込み数は前年比2.4%増の6229万人、宿泊観光客数は3.4%増の953万人となり、ともに過去最高となった。観光客入り込み数は過去最高だった震災前の22年の6129万人を1.6%上回った。県は仙台市などと展開した夏と冬の観光キャンペーンによる誘客効果が表れたと分析した。
宮城県大崎市岩出山地区で藩制時代から約170年受け継がれる「凍り豆腐」が8月にも、地域産品をブランドとして保護する国の「地理的表示保護制度(GI)」に登録される見通しであることが13日、分かった。登録されれば昨年5月の「みやぎサーモン」に続き、県内2例目。岩出山の凍り豆腐は、膨張剤などを加える量産品と異なり、県産大豆とにがりのみを原料に使う。
宮城県特産の海産物ホヤを、もっとたくさんの人に味わって欲しい――。ホヤの消費拡大に向け、あの手この手の働きかけが始まっている。韓国の禁輸で消費が伸びず、漁師らが苦境に陥っていることも一因だ。29日には南三陸町で「ほやまつり」も開催。郷土の珍味はこれから旬を迎える。ホヤの国内消費を増やして漁師を支援しようと、ホヤ料理店を運営する会社社長が4月、「ほやラバーズ倶楽部」を設立した。
東日本大震災の津波で死亡・行方不明になった石巻市大川小の児童23人の19遺族が、市と宮城県に約23億円の損害賠償を求めた訴訟の控訴審判決で、仙台高裁は4月26日、「学校は適切な避難場所を定めておくべきだった」と事前防災の過失を認め、市・県に計約14億3610万円の賠償を命じた。教員らの避難対応の過失を認定した一審仙台地裁判決を変更し、校長ら大川小の管理職と市教委に組織的な過失があったとした。学校の事前防災を巡り、法的責任を認めた司法判断は初めて。
東日本大震災の津波により、宮城県名取市閖上地区で乳児だった長男ら家族4人が犠牲となったのは、市の防災無線が機能せず避難が遅れたためなどとして、仙台市の夫婦ら遺族4人が名取市に計約6770万円の損害賠償を求めた訴訟の判決が30日、仙台地裁であった。高取真理子裁判長は市の責任を認めず、遺族側の請求を棄却した。遺族側は控訴する方針。