山梨県は中部地方の南東部に位置する県で、古くは甲斐国といった。人口86万5676人、県庁所在地は甲府市。県の中央部に盆地（甲府盆地）が広がり、その周りをぐるりと山地が取り囲んでいる。南部は富士山と丹沢山地、西部は駒ヶ岳・北岳、白根山など3000㍍級山々が並ぶ赤石山脈、北部から東部にかけては八ヶ岳や秩父山地がそびえている。甲府盆地は夏はむし暑く、冬は寒い内陸型の気候、八ヶ岳や富士山などの山麓周辺は夏は涼しく冬は寒いという高冷地気候である。

農業の中心となる甲府盆地では果物の栽培が盛んに行われている。日照時間が長く、昼夜や冬夏の寒暖の差が激しいため、ブドウ、モモ、スモモの生産量が多く、全国1位を誇っている。とくにブドウ栽培の歴史は古く、平安時代にさかのぼるといわれる。最近はブドウを原料とするワインづくりも盛んで、県内にはワイン工場が約90軒あり、生産量は日本一である。最近ではワイナリー巡りや、ぶどう狩りといったツワーも観光客に人気である。また、そのほかにもサクランボ、リンゴ、カキ、ウメなどが盛んに栽培されている。

工業については、大月市、甲府市、韮崎市などで電子関連工業が発展している。忍野村には全国一の生産を誇るロボット工場がある。また、甲府市では古くから水晶・宝石の研磨業や印章業が行なわれている。

また、山梨県は日本一の高さを誇る富士山をはじめとして赤石山脈などの自然に恵まれているため、登山、トレッキング、ハイキングなどでも有名だ。さらに、県内には河口湖温泉、石和温泉、湯村温泉、塩山温泉、下部温泉などがあり、公共温泉や立ち寄り入浴ができる宿も多い。そのほか、富士五湖やギネス記録をもつ遊園地「富士急ハイランド」などのレジャースポットも充実している。

郷土料理「ほうとう」やフルーツ、ワインといった山梨の味も魅力的だ。また、戦国時代にこの地をおさめた武田信玄に由来する銘菓「信玄もち」も名物のひとつ。ほかには富士吉田市を中心に、ご当地グルメとして注目を集める「吉田のうどん」などがある。伝統工芸品としては、甲州水晶貴石細工、甲州印伝などが有名だ。