中国地方の北東部にあり、東西に細長く伸び、北は日本海に面している。南部は中国山地をへだてて岡山県と接し、東部は氷ノ山、扇ノ山を挟んで兵庫県、西部は島根県に接している。面積は3507平方㌔㍍、人口は約58万8400人。都道府県のなかでもっとも人口が少ない。

県内全域が日本海側気候で、冬期に降水量が多い豪雪地帯となっている。しかし、暖流である対馬海流の影響で、ほかの日本海側の地域と比べて気温が高く、暖かく過ごしやすい地域でもある。県の面積の約85㌫が山地で、中国山地には1300㍍前後の険しい山々がつづく。西部にある標高1729㍍の大山は、中国地方で最も高く、登山客にも人気のスポットになっている。

山地が多いため耕地は少ないが、二十世紀ナシの生産量は全国有数。中央部では肉用牛の飼育や酪農・養鶏が盛んだ。水産業では日本海側でアジ、サバ、イワシ、スルメイカ、ベニズワイガニなどがよく獲れ、境港の水揚げ量は全国有数として知られる。工業では鳥取市を中心に電気・機械工業、米子市を中心に製紙業、食料品工業といった分布になっている。

また、近年は豊かな自然を生かした観光に力を入れている。とくに、鳥取平野の海岸線に広がる鳥取砂丘の雄大な姿は、全国的に人気を呼んでいる。なお、砂丘は、重要な観光資源であると同時に、鳥取県の農業を支える重要な農地でもある。現に、鳥取砂丘ではラッキョウ、スイカ、ナガイモ、メロンなどの生産量も盛んに行われている。

そのほか、浦富海岸、大山などの景勝地が観光地として人気が高い。また、岩井温泉、浜村温泉、三朝温泉、皆生温泉といった温泉地にも恵まれている。さらに、最近は日本を代表する漫画家・水木しげる氏の作品をモチーフにした「水木しげるロード」の人気も高い。

名物にはナシ、スイカ、ラッキョウといった野菜や果物が多い。伝統工芸品には弓浜がすり、因州和紙、出雲石灯籠などがある。