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Home ニュース TOHO-Daily 日本の商社も興味津々!! 中国で安全・安心な野菜を栽培する農業法人!!
日本の商社も興味津々!! 中国で安全・安心な野菜を栽培する農業法人!! 印刷
2011年 10月 18日(火曜日) 16:50

「中国の食」といえば「毒餃子事件」などのイメージが強く、なかなかマイナスイメージを払拭ことができない。だが、ここにきて日本語の「有機(Yuki)」を社名に冠し、食の安全に取り組む四川省の尚作有機(Sun Yuki)という農事法人が中国で注目を集めているという。さっそく、日系の外食企業も取引を始めたという。同社の農場を訪れ、その事業内容を取材してみた。

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尚作有機の龍淼社長

中国の内陸部・四川省の成都尚作農業科技有限公司(代表・龍淼、資本金1500万元、従業員160名)が「農薬・化学肥料フリー」に取り組み、脚光を浴びている。そこで、成都市中心部から車で1時半、世界遺産の道教の聖地・青城山に程近い同社農場を訪れてみた。見ると、山頂に広がる畑、養鶏場・豚舎には?有機?へのこだわりが。その土にも有機の感触が。化学肥料なしで籾殻を主体とした肥料を使っていることがわかる。

農地の左端には有機山荘と名付けられたレセプション・エリアがある。農家の住宅を改造し、宿泊可能なオシャレな雰囲気の有機レストランになっている。このところ、中国では休日などに農家で食事し、宿泊やレジャーを楽しむ「農家楽」という過ごし方が流行っているが、ここでは「有機作物」を提供しているそうだ。週末には会員たちが家族連れで食事を楽しんでいるという。たまたま視察に来ていた、日系の商社マンに聞いてみると「中国で本当にオーガニック野菜が作れるのかと思っていたが、そのレベルの高さに驚いた」と。そして「これなら日本にも持っていける」と太鼓判を押していた。

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オシャレな雰囲気の有機レストラン

というわけで、採れたばかりの野菜を試食してみた。同社の龍?社長からは「生で召し上がってほしい」ということなので、プチトマト、ニンジン、ダイコン、長ネギ、レタス、ナス、チンゲンサイなどをひとつひとつ味わってみた。いずれも独特の自然の香りと甘みに満ちていた。

どうやらこうした良質な野菜づくりを支えているのが水だそうだ。レセプション・エリア後方には、天然水の浄化システムがあり、その水を農業用水・飲用水として使用しているという。農場内にはその水を使った育苗用のビニールハウスといった施設も設置されているという。

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畑の後方には豚舎があったが、それはなぜか、ニオイはほとんどしない。「微生物を活用し、豚の糞を発酵・分解させ、肥料として活用している」(龍社長)からだそうだ。また、同社で亜微生物を生かした害虫駆除にも力を入れているという。虫対策にはこのほかB5ほどの大きさの黄色いハエ取り紙(黄色に虫が寄ってくる習性を利用)やペットボトルでつくったワナ、太陽光を利用した電撃殺虫機なども活用しているという。

畑で働く人たちがイキイキとしていたのも印象的だ。ただ「ご覧の通り、従業員の年齢層が高いのです。これからは夢を持った若年層をいかに取り込めるかが課題です」と龍社長。また「農業に関心のある若手人材の発掘とかプロの養成、さらに有機農業自体がこの国で黎明期であることから、技術的な習得も急務です」と。このように中国でも有機農業は着実に進化し根付きはじめている。日本の農業も胡坐をかいてはいられないのだ。