第一回「竜の子奨学生」奨学生贈呈式(07年8月4日)において、 筑波大学大学院 生命環境科学研究科(博士後期課程)2年の蔡 碧月(サイ・ヘキゲツ)さんが奨学生代表として謝辞を述べた。以下、その内容を紹介したい。
5年前、私は本日ご出席の奨学生の皆さんと同じように、母国のために、日本で取得した高度な知識や技術を大学で教える夢を抱きながら、両親や友達に別れを告げ、海を渡って日本に来ました。
しかしながら、いざ始めた日本での留学生活は、現実は経済的にとても厳しいものでした。母国の物価と日本の物価の差が非常に大きくて、私たち私費留学生は日本に来て、カルチャーショックを受けると同時に、経済的な困難に直面いたしました。勉強するために多くの時間 がほしかったのですが、アルバイトをたくさんしなければ生計が成り立たないので、身体的にも精神的にも本当に疲れました。自分の周りには、経済的な困難が理由で夢をあきらめて、帰国した先輩たちが何人もいました。自分は、あと一年半で卒業する予定なのですが、今年になって、父が心筋梗塞で倒れてしまったため、母国からの支援が厳しくなり、夢をあきらめる寸前にありました。そんな時、突然「秋元国際奨学財団の奨学生として採用されました」との知らせを受け、絶望の淵にあった私でしたが、希望の光が見えてきました。かって経験したことのない感謝と感激を覚えました。そして、かならず留学の目的を達成しようと再度決心しました。
経済的な問題によって、留学の目的を達成できないかもしれないという不安の中で暮らしている私たち私費留学生に、秋元国際奨学財団は温かい手を差しのべてくださいました。提供してくださった奨学金は、学費と生活費を同時にカバーできる額で、私たちの最も切 実な問題を根本的に解決してくださいました。本当に心より感謝しております。私たちは 秋元国際奨学財団の秋元理事長を始め、皆様のご期待に応えられるように、竜の子奨学生としての自覚と責任を持って、学業に専念いたします。また、私たち竜の子奨学生は日本と世界を結ぶ架け橋として、活躍していきたいと思います。
さらに、竜の子奨学生と言う共通の名のもとに結ばれた 各国の留学生が、真心を持って、お互いの文化を理解することで、世界平和に貢献していきたいと思います。竜の子奨学金のおかげで、私達は安心して勉強や研究に専念することができます。今後、竜の子奨学生が、それぞれの専門分野で活躍して、社会に貢献することによって、秋元国際奨学財団に恩返ししたいと思います。
終わりに、再び、竜の子奨学生を、代表いたしまして、秋元理事長をはじめとする秋元国際奨学財団の関係者の皆様に、深く、深く、感謝申し上げます。本当にありがとうございました。
第5回「竜の子奨学生」奨学生贈呈式での記念撮影
秋元国際奨学財団への感謝の言葉を述べた碧月さん |