留学生の多くが直面する住宅問題。 秋元国際奨学財団では、アルデプロと連携をはかることで、留学生の住宅問題に積極的な支援を行っている。 そうした事業展開を秋元竜弥理事長に聞いた。
―留学生は日本でどのような悩み事を持っているのでしょうか。
秋元 彼らが日本で一番困っているのは、日本の物価が非常に高いということ。その次に問題となっているのが住居の問題です。奨学生たちからも日本独特の習慣である連帯保証人、敷金、礼金などの相談を受けることがしばしばあります。
―やはり住宅の問題が深刻ということですね。
秋元 そうです。日本には外国人留学生向けの学生寮もあるのですが、もともと絶対数が不足しているうえに、今後はその数を徐々に減らしていくということが、決定されました。
留学生の多くは民間の賃貸住宅に住んでおり、その割合は75㌫を超えています。そうなると11万人以上の留学生たちが民間のアパートに住んでいる計算になります。ただ、そういう学生たちはよりいい環境の住まいを探すのに大変苦労しているのが実態です。本来であれば、このようなことにわずらわされることなく勉強研究に専念してもらえるのが一番なのですが、残念ながら実態はそうでないのです。
―では、どのような住居支援を展開していますか。
秋元 住居に関する不安を取り除いて、勉強に集中できる留学環境を整えたいと考えています。そのために留学生専用のアパートを用意し、そこに入居する留学生たちには、日本の習慣にとらわれず連帯保証人不要、礼金不要のアパートを提供したいと考えています。
また、そこで生活する学生たちには、日本の伝統文化を体験する場所を提供したり、他の留学生たちと交流がもてるような場所も提供していきたいと考えております。
そうした留学生専用のアパートを、中国をはじめとする外国の投資家の方々に購入してもらい、東京だけではなく、日本各地に在住している留学生たちが、住むところに不安がなく、充実した日本での学生生活を送ってもらえればと考えています。
―理事長の創業した不動産会社「アルデプロ」との連携が期待されますね。
秋元 彼らは日本の不動産のプロフェッショナルですから物件の管理も行いますし、仮に空室ができてしまっても、その賃料の穴埋めができるような家賃保証会社もグループ内に所有しています。日本の不動産は非常に安定した利回りを提供でき、所有権で取得でき、その権利は永久に保証されますので中国の投資家にとっても非常に魅力的だと思います。中国各地でも積極的に投資セミナーを開催すると聞いていますので、今後はその方面にも力を入れていきたいと思っています。
「留学生の生活支援の一環として、住宅問題にも力を入れていきたい」と話す秋元竜弥理事長
◆財団概要
理事長:秋元竜弥
設立:2007(平成19)年4月26日
住所:東京都新宿区3-1-24 京王新宿三丁目ビル2階
TEL:+81-3-5367-2002
FAX:+81-3-5367-2155
◆奨学生募集案内
アジア諸国からの留学生として来日した者のうち、志操堅固、学力優秀でありながら、経済的理由により学業の継続が困難な者に対して「奨学援助」を行い、もって、アジア諸国間及びアジア諸国と我が国との国際友好親善及び人材の育成に寄与することを目的とします
※応募資格(抜粋)
・日本以外の国籍を有し、アジア諸国から来日している私費留学生
・学業、人物ともに優秀であり、健康である者
・大学の学部又は大学院に在学する者で、2011(平成23)年4月1日現在で35歳以下の者(ただし、芸術系を専攻する正規大学院生については、40歳以下の者とする)
・現在、学業継続が困難であるなど、修学のために経済的援助を必要とする者で、他の奨学金を受けていない者(ただし、月額5万円(学部学習奨励費の額)以下の奨学金受給は可) |