2011年 7月 22日(金曜日) 14:23 |
東日本震災と福島原発の影響で、留学生を含む多くの外国人が帰国した。 しかし、留学生支援を行う財団法人秋元国際奨学財団の奨学生、OBたちは日本に留まっている。 そして、積極的なボランティア活動を展開しているという。
「これまで私たちは日本の皆さんにお世話になってきた。こういうときにこそ日本に恩返しがしたい」と奨学生たちが被災地でのボランティア活動に取り組んだ。
奨学生たちが向かった先は宮城県女川町。15年前より女川町の水産加工会社等では外国人研修生を積極的に受け入れてきた。地元水産組合では研修・実習だけではなく、地元教員OB等の支援のもと、日本語教育や日本の生活慣習についてのセミナーも開いている。また、町内では外国人による日本語弁論大会も開催されているそうだ。 こうして4月29日、財団職員と奨学生たちは女川町浦宿にある工場の敷地にて、1000食のカレーライスの炊き出しを行った。
東日本大震災の被災地では宮城県女川町で炊き出しを実施
同財団の椎塚裕一常務は「実際に被災地に赴いてみて、その光景に言葉をなくす学生がほとんどでしたが、 それでも彼らは現地の皆さんと積極的にコミュニケーションをとっていた」と話す。そこで、この取り組みに参加した奨学生のコメントを一部紹介したい。
「想像を絶する地震被害の惨状を目の前にした後、避難所で出会ったおじいさんが涙を流しながら『私たちはここで一生懸命生きてるんだよ』と話していたのが印象的でした。 被災地がいち早く元気を取り戻せることを心よりお祈りしております」(文銀実・名古屋大学大学院) 「想像を絶する厳しい環境でしたが、元気な子ども達を見て希望を感じました」(李丞孝・東京芸術大学大学院) 「これまでたくさん日本の方に支援していただいたおかげで、順調に勉強することができました。日本に恩返しするため、東日本大震災のボランティア活動に参加したいと思っていましたが、留学生の立場ではなかなかできませんでした。財団のおかけで、ボランティア活動ができたので本当に良かったです」(岳岡・亜細亜大学大学院)
なお、炊き出しに合わせて、財団では女川町に日本茶や和菓子、漬物の提供をはじめ、女川町の小学生全員分のノート(3200冊)、鉛筆(400ダース)、消しゴム(800個)、鉛筆削り(800個)を提供してきた。
炊き出しは大盛況だった
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