九州地方の中央に位置し、面積は7404平方㌔㍍、人口は約186万人。有明海、不知火海、東シナ海に面しており、福岡、大分、宮崎、鹿児島の各県と境を接している。気候は温暖だが、冬と夏での寒暖の差が激しい。とくに阿蘇地方は山地型気候で、九州随一の寒冷地になっている。

また、阿蘇・天草の二つの国立公園に代表されるように、雄大な自然に恵まれ、全国有数の農業県である。主な特産物は、トマト、いぐさ、葉タバコ、宿根カスミソウ、スイカ、クリ、ナス、トルコギキョウ、ショウガ、メロン、イチゴ、デコポン、夏ミカンなど。

近年ハイテク産業や輸送機械の企業誘致を積極的に行っており、太陽電池関係の産業振興にも力を入れている。

観光地としては世界最大級のカルデラといわれている阿蘇が有名であり、県のシンボル的な存在として親しまれている。カルデラ内には、現在も噴煙を上げ続ける中岳があり、活動が平穏な時には火口を覗くことができる。また、一の宮町にある阿蘇神社の大楼門は日本三大楼門のひとつとされている。

また、大小120余りの島々からなる天草諸島は、風光明媚な景色と16世紀に伝えられたキリスト教の名残を見せる建物で人気のスポット。九州きってのマリンスポーツのメッカでもあり、ダイビングやウインドサーフィンなどが楽しめる。とっておきは遭遇率98％以上といわれているイルカウォッチング。時間を忘れて大自然を満喫することができる。

熊本市の中心部にそびえるのは、日本三名城のひとつ熊本城。見どころは「武者返し」と呼ばれる石垣。緩やかな勾配が上に行くに従い垂直近くになるのが特徴。また、2008年に復元された本丸御殿には、中国四大美女の一人といわれている王昭君の物語が描かれている。

名物料理といってまず頭に浮かぶのが「味千ラーメン」。本店がこの熊本にある。あか身肉の旨さと良質でほどよい脂肪のバランスが特徴の「阿蘇のあか牛」は、健康ビーフとしてヘルシー志向の方に大人気。その他、鮑や車えびなどを使った海鮮料理も豊富にある。