本州の西端・中国地方の南部中央に位置し、面積は約8479.26平方㌔㍍、人口は約285万8002人。北は中国山地を挟んで島根県に接し、南は瀬戸内海をはさんで四国に面し、大小合わせて約140の島を有する。県庁所在地の広島市は政令制定都市であり、中国・四国地方最大の都市として知られる。また、世界で初めて原子爆弾を投下された地域でもあり、国際的な知名度も高い。瀬戸内海に面したエリアや島嶼地域は、年間を通じて温暖で降水量が少ないが、中国山地沿いの地域は冬の寒さが厳しい。

中国・四国地方最大の工業県で、瀬戸内工業地域の中核をなしている。自動車業・造船業、鉄鋼業の御三家を中心に、繊維産業などが集積、近年では半導体製造などIT・デジタル関連機器工場の立地も進んでいる。農業では県中央部で米や野菜、南部で野菜や花の栽培が行われ、瀬戸内海の島々ではミカンなどの栽培が多い。また、水産業では広島湾でカキの養殖が盛んで、その生産量は日本一を誇る。

観光面では厳島神社と原爆ドームというふたつの世界遺産が中心となっている。厳島神社は廿日市内から電車、フェリーを使って１時間ほどの厳島（宮島）にある神社のこと。1400年の歴史を持ち、日本全国に約500社ある厳島神社の総本社である。海のなかに建てられており、満潮時に海面に浮かぶ鳥居の姿は幻想的だ。その美しい姿から日本三景のひとつとして知られている。原爆ドームは1945年8月6日にアメリカ軍によって、原子爆弾が広島市に投下された際に残った建物。爆心地から至近距離にあった建物のなかで、唯一、原型をとどめることができた。現在も補強・修復が繰り返され、原爆投下時の姿が残している。