各紙によれば証券大手の野村ホールディングス(HD)と大和証券グループ本社が29日、9月中間連結決算を発表した。株式市場の活況による手数料収入の拡大などで、両社とも前年同期と比べて大幅な増益となった。最終利益ベースで野村は11年ぶりの高水準、大和は過去最高だった。野村は野村不動産HDを連結対象から外したため、売上高に当たる純営業収益は2.2%増の7877億円にとどまったが、最終利益は約22倍の1040億円となった。大和は純営業収益が61.1%増の2824億円。最終利益は約9.2倍の928億円で、中間決算の発表を始めた8年3月期以降で最高だった。
各紙によればNTTコミュニケーションズは28日、各国のデータ通信回線網と海外500社の顧客を抱える米バーテラ・テクノロジー・サービス(コロラド州)を買収すると発表した。同時に米データセンター会社の買収も基本合意したことを明らかにした。買収総額は2社合計で855億円。NTTコムの有馬彰社長は、買収でITサービスの提供地域は「英BTなど通信4強に接近する」と語り、グローバル企業のデータ通信需要の獲得競争に意欲を示した。BT、米ベライゾン・コミュニケーションズ、米AT&T、仏オレンジの4社をはじめとする欧米通信大手は、ソフトウエアをインターネット経由で提供するクラウド事業の強化へ世界各地でデータ回線網と、サーバーなどを置くデータセンターを拡充している。
KDDI(au)が28日発表した2013年9月中間決算は、純利益が1630億円(前年同期797億円)で過去最高となった。売上高も過去最高の2兆537億円(同1兆7405億円)。モバイルと固定の両方で通信料収入が大きく伸びた。田中孝司社長は会見で、11月1日に発売する米アップルの新しいタブレット端末「iPad」について、買い替え時に下取りサービスを導入する予定だと明らかにした。新たな株主優待策として、auの端末購入に利用できるクーポンの導入も発表。保有する株式数や期間に応じて5千~2万円のクーポンを送るという。