中国訪問の玉城知事 沖縄のアイデンティティと空手の極意を語る 印刷
2023年 7月 07日(金曜日) 18:39

玉城知事は、「琉球王国時代には、沖縄は中国や東南アジアの国々と日本とつながることで外部の文化や産業や技術を取り入れてきた。そして、沖縄にもともとあったものと組み合わせ、独自の文化や伝統を作ってきた。それが沖縄県民のアイデンティティ、つまり、心がよって立つ大きな精神的な支えになっている」と歴史を振り返りました。

さらに、自らも学んだ空手を例に、「今の沖縄の伝統的な空手は、琉球王朝の護身武術が、中国と交流の中で伝わった中国武術と組み合わさってできた」という説があると紹介しました。そして、「空手に先手なし」「人に打たれず、人を打たず、事なきを基とするなり」といった空手の精神を説明し、その極意は「皆が打ち合わないことが平和なのだ。互いを認めあうということを伝えるため、それを鍛えるために、沖縄では空手というものが本当に大切だと実感している」と語りました。また、玉城知事は、中国をはじめとする世界各地に空手の愛好家がいることを喜び、「沖縄発祥の平和の武」としての交流事業の盛り上がりや「平和的な考え方」の広がりに期待を示しました。

玉城知事は今後の沖縄が目指す方向性について、「かつての地域との結びつきを温め直したい。技術や人の往来や経済の交流によって、沖縄が持っているネットワークを地域全体の発展に役立てていきたい」と述べました。さらに、海に囲まれた亜熱帯の自然環境、個性豊かな文化、独特な食などのソフトパワーを利用して、中国や福建省との交流をさらに続け、今後は中国やアジア太平洋地域の人々にも有益な考え方を提供していきたいと意気込みを示しました。