初の国産大型クルーズ船 フィンスタビライザーで安定航行を実現 印刷
2023年 7月 26日(水曜日) 23:19

中国初の国産大型クルーズ船は24日、8日間にわたる初の試験航行を終えて中国船舶集団傘下の上海外高橋造船の4号ドックに入りました。クルーズ船は今回の試験航行で、航行中の安定性や騒音、振動の検査も行いました。

中でも、クルーズ船の両側に据え付けられるフィンスタビライザーという航行時のローリング(横揺れ)を抑える装置は、魚の一部の鰭(ひれ)のような働きをするので、中国語では「減揺鰭」と呼ばれます。フィンスタビライザーは船が航行中に荒波や強風に遭遇すると自動的に開き、風や波の影響を緩和して船の揺れを小さくします。

検査員は照明が点灯する海岸線を目視しました。船体の揺れは、角度が10度未満でも非常に大きく感じたのですが、フィンスタビライザーが作動すると、わずか十数秒で、船が大きく傾斜する状態から平穏な状態に移行したとのことです。

上海外高橋造船の総組立二部調整技術室の馬利斌副主任によれば、フィンスタビライザーの自動作動と原状復帰のテストは、中国国内では初めてのことだそうです。