地方経済天気図(2014年7月) 印刷
2014年 7月 28日(月曜日) 22:09

2014年7月地方経済の状況

【 総評 】〜消費関連に持ち直しの動き〜

【 北海道 】

北海道の景況は、個人消費が足踏み、住宅建築が弱含んでいるものの、設備投資、公共工事が持ち直すなど、緩やかな持ち直し。 

個人消費は、小売店販売が百貨店販売、スーパー販売ともに減少したほか、乗用車販売も減少するなど、持ち直しの動きが一服。住宅建築は、貸家が増加したものの、持家、分譲住宅が減少し、弱含み。設備投資は、製造業、運輸業を中心に投資計画を積み増す動きがみられるなど、持ち直し基調。公共工事は、道、市町村が増加し、持ち直し。輸出は、自動車部品、鉄鋼が増加したものの、化学製品が減少し、足許減少。

生産活動は、金属製品が増加したものの、石油・石炭・窯業・土石が減少し、持ち直しの動きが一服。

観光は、外国人客を中心に来道者数が推移し、回復。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数も増加するなど、緩やかな回復。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 東北 】

東北の景況は、生産活動が足踏み、個人消費、住宅建築が横這いとなるなど、持ち直しの動きが一服。

個人消費は、乗用車販売が普通・小型乗用車で減少したものの、スーパー販売で減少幅が縮小するなど、横這い圏内の動き。住宅建築は、貸家、分譲住宅が増加したものの、持家が減少し、横這い圏内の動き。設備投資は、製造業で投資計画を積み増す動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は復旧・復興にむけた大型工事などの前倒し発注から、国、独立行政法人等、県、市町村いずれも増加し、持ち直し。輸出は、鉄鋼、米国・中国向けの輸送機械が増加し、持ち直し。

生産活動は、輸送機械、金属製品が減少するなど、足踏み。

観光は、観光地への入込客が増加するなど、好調。

雇用は、製造業、医療・福祉などで新規求人数が増加したほか、有効求人倍率が上昇するなど、緩やかな改善。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆け込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 関東 】

関東の景況は、設備投資が持ち直しているものの、住宅建築、輸出が減少するなど持ち直しの動きが一服。

個人消費は、百貨店販売で高額商品が減少、家電販売で白物家電が減少、乗用車販売も減少したものの、スーパー販売で生鮮食料品を中心に増加するなどするなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、持家、分譲住宅が減少するなど、弱含み。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、都県、市町村が増加するなど、回復に向けた動き。輸出は、半導体等製造装置、化学光学機器が減少し、足許減少。

生産活動は、窯業・土石製品が増加したものの、電気機械、化学が減少するなど、持ち直しの動きが一服。

観光は、ホテルの客室稼働率が高水準を維持するなど、上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、医療・福祉、、運輸・郵便業で新規求人数が増加するなど、持ち直し。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。 

【甲信越 】

甲信越の景況は、住宅建築が弱含んだものの、設備投資、輸出、生産が持ち直すなど、持ち直し

個人消費は、百貨店販売で高額商品、衣料品が減少し、乗用車販売も減少したものの、スーパー販売、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、持家、分譲住宅が減少し、弱含み。設備投資は、製造業、非製造業ともに投資計画を積み増す動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、国、市町村が増加したものの、国が減少し、横這い圏内の動き。輸出は、一般機械、金属鋼およびくずが増加するなど、緩やかな持ち直し。

生産活動は、輸送機械、化学が増加し、持ち直し。

観光は、観光地の入込客が伸び悩むなど、上向き。

雇用は、運輸・郵送業、医療・福祉等で新規求人数が増加するなど、持ち直しの動き。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 北陸 】

北陸の景況は、個人消費、公共工事が弱含んだものの、輸出、雇用情勢が持ち直すなど緩やかな回復

個人消費は、大型小売店販売が減少したほか、乗用車販売も小型乗用車が減少するなど、弱含み。住宅建築は、貸家、分譲住宅が増加したものの、持家が減少し、弱含み。設備投資製造業で金属製品、非製造業で不動産業、小売業、情報通信業を中心に投資計画を積み増す動きがみられるなど、緩やかな持ち直し。公共工事は、請負件数、請負額とも減少するなど、足許減少。輸出は、一般機械、地場産業の眼鏡・眼鏡枠が増加するなど、緩やかな持ち直し。

生産活動は、医薬品が高水準の生産を持続したほか、輸送機械、金属製品が減少するなど、横這い圏内の動き。

観光は、温泉地の入込客が振るわず、盛り上がりを欠く。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、製造業、卸・小売業で新規求人数が増加するなど、持ち直し。

先行きは、消費税率引き上げ伴う駆込み需要の反動減から回復し、基調は緩やかな回復の動きが続くとみられている。

【 東海 】

東海の景況は、設備投資、公共工事が持ち直したものの、住宅建築、輸出が減少するなど、回復の動きが一服。

個人消費は、百貨店販売で衣料品を中心に減少したほか、乗用車販売も減少するなど、弱含み。住宅建築は、貸家、分譲住宅が増加したものの、持家が減少し、やや弱含み。設備投資は、一部に投資計画を積み増す動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は独立行政法人等、県が増加し、持ち直し。輸出は、自動車、船舶類が減少し、足許減少。

生産活動は、石炭・石油製品が増加したものの、輸送機械、化学が減少するなど、持ち直しの動きが一服。

観光は、観光地の入込客数が増加するなど、やや上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、新規求人数も増加するなど、緩やかな回復。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減から回復し、基調は緩やかな回復の動きが続くとみられている。

【 近畿 】

近畿の景況は、設備投資が持ち直し、公共工事が回復に向けた動きにあるなど、緩やかな持ち直しの動き

個人消費は、乗用車販売がが減少したものの、大型小売店販売で飲食料品を中心に増加するなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少し、弱含み。設備投資は、大企業に加え、中小企業も投資計画を積み増す動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は、国、県、市町村が増加し、緩やかながら回復に向けた動き。輸出は、半導体などの電子部品、科学光学機器、電気回路機器が増加し、持ち直し。

生産活動は、金属製品、化学が減少するなど、足許一服。

観光は、観光地の入込客が増加するなど、持ち直し。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、現金給与総額、所定外労働時間も増加するなど、緩やかな回復。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 中国 】

中国の景況は、設備投資が回復に向けた動きにあるものの、輸出が横ばい、住宅建築弱含むなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、百貨店販売、乗用車販売が減少したものの、スーパー販売が増加に転じるなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、持家、貸家、分譲住宅いずれも減少し、弱含み。設備投資は、製造業を中心に投資計画を積み増す動きがみられるなど、持ち直し。公共工事は、国、独立行政法人等、県、市町村いずれも増加するなど、持ち直し。輸出は、自動車が増加したものの、アジア向けの有機化合物が減少し、横這い圏内の動き。

生産活動は、鉄鋼、自動車が増加し、緩やかながら回復に向けた動き。

観光は、観光地の入込客数が増加するなど、上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、医療・福祉、建設業で新規求人数も増加するなど、緩やかな回復。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減からも持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 四国 】

四国の景況は、輸出が減少したものの、雇用情勢、公共工事が回復に向けた動きにあるなど、持ち直しの動き

個人消費は、大型小売店販売はが高額商品、家電品を中心に減少したものの、衣料品、飲料品が増加したほか、乗用車販売も増加するなど、一部に持ち直しの動き。住宅建築は、持家、分譲住宅が減少し、減少基調。設備投資は、製造業で投資計画を積み増す動きがみられ、持ち直し。公共工事は、国、市町村が増加し、緩やかなながら回復に向けた動き。輸出は、一般機械が増加したものの、輸送機械、石油製品が減少し、足許減少。

生産活動は、金属製品が増加したものの、電気機械、化学が減少し、横這い圏内の動き。

観光は、ホテルや旅館の宿泊客数が増加するなど、上向き。

雇用は、有効求人倍率が上昇したほか、サービス業で新規求人数が増加するなど、緩やかながら回復に向けた動き。

先行きは、消費税率引き上げ前の駆込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 九州 】

九州の景況は、雇用情勢が持ち直しているものの、輸出、生産活動が弱含むなど、持ち直しの動きが一服

個人消費は、百貨店販売が減少したものの、スーパー販売の減少幅が縮小したほか、乗用車販売も増加に転じるなど、やや上向き。住宅建築は、貸家が増加したものの、持家、分譲住宅が減少し、弱含み。設備投資は、非製造業で投資計画を積み増す動きがみられるなど、上向き。公共工事は、国、独立行政法人等が減少したものの、県、市町村が増加し、やや弱含み。輸出は、鉄鋼、船舶が減少し、やや弱含み。

生産活動は、輸送機械、プラスチック製品、食料品が減少するなど、足許低下。

観光は、温泉地の入込客が増加するなど、やや上向き。

雇用は、所定外労働時間、現金給与総額が増加したほか、製造業、サービス業で新規求人数が増加するなど、緩やかな持ち直し。

先行きは、消費税率引き上げに伴う駆込み需要の反動減から持ち直し、基調は緩やかな持ち直しの動きが続くとみられている。

【 沖縄 】

沖縄の景況は、住宅建築、公共工事、観光が回復に向けた動きにあるなど、拡大

個人消費は、家電品販売で太陽光発電システム、テレビ、洗濯機が減少したものの、百貨店販売が衣料品を中心に増加したほか、乗用車販売も増加するなど、緩やかながら回復に向けたの動き。住宅建築は、持家、貸家が増加し、回復。設備投資は、貨物車販売台数が増加するなど、緩やかな回復。公共工事は、国、独立行政法人等、県、市町村いずれもが増加するなど、拡大の動き。輸出は、石油製品、再輸出品、金属鉱およびくずが増加し、足許増加。

生産活動は、横這い圏内の動き。

観光は、国内客、外国人客ともに増加し、好調。

雇用は、完全失業率が改善するなど、回復に向けた動き。

先行きは、拡大の動きが強まるとみられている。

 

協力:一般社団法人全国地方銀行協会