電力10社の2016年3月期の連結決算は、原油安による火力発電燃料費の大幅減が収益を押し上げ、東日本大震災後で初めて全社が経常黒字となる見通しとなった。収支改善が顕著なのは、保有原発の再稼働にこぎ着けた九州電力と関西電力。原発依存度の高い両社は、新規制基準の導入に伴う稼働停止で厳しい経営が続いてきたが、原油安との相乗効果で収益回復の加速を狙う。