1890年に和歌山県串本町樫野埼沖でトルコ軍艦エルトゥールル号が遭難した後、義援金を募ってトルコに届けた山田寅次郎(1866~1957)の伝記が出版された。著者は孫の和多利月子さんで、祖父の生涯を描く中で、研究によりこれまでの定説を覆す新説や、未公開資料を多数紹介している。山田寅次郎は民間の立場でありながら、率先して演説会や演芸会などを催して、エ号の義援金募集活動を展開。