豊かな自然と工業地帯を有する 近郊都市 印刷
2010年 7月 16日(金曜日) 14:06

関東地方のほぼ中央部に位置する内陸県で、面積は国土のほぼ100分の1に当たる約3800平方㌔㍍。西部に関東山地がのび、東部には関東平野が広がる。県の中央部を荒川、北部を利根川が流れ、東側は江戸川を境に千葉県と接している。気候は温和だが、冬は北西の季節風が強く吹く。

東京都に隣接しており早くから都市化が進み、1970年代以降急激に人口が増加した(現在で約718万人)。埼玉から都内に通勤・通学している県民も多い。貿易港や臨海工業地帯を持たない内陸県だが、鉄道や主要道路などの充実した交通基盤を背景として、輸送機械などの製造業を中心に多様な業種が集積している。岩槻の雛人形や五月人形、加須の鯉のぼりなど、伝統工芸品の産地もある。

平野部では多彩な農産物が生産されている。千葉県、茨城県とともに、首都圏における重要な近郊農業地域である。利根川や荒川沿いの低地では水稲が、台地ではネギ、コマツナ、ホウレンソウ、サトイモ、カブ、ブロッコリー、キュウリなどの野菜が生産されている。

西側の山地部は登山やキャンプなどアウトドアを楽しむ観光客で賑わう。その代表格である秩父市には、秩父多摩甲斐国立公園があるだけでなく、市域のほとんどが奥武蔵・武甲・西秩父などの県立自然公園に指定されている。また、12月には市内を豪華な山車が練り歩く「秩父夜祭」が開催され、多くの観光客が訪れる。秩父市周辺には長瀞のライン下りや温泉があり、東京都内・関東近郊の観光客に人気のスポットだ。

07年にJR東日本が開館した鉄道博物館(さいたま市大宮区)も新たな観光名所になっている。前年に閉館した東京・神田の交通博物館に替わる施設として設立され、オープン直後から連日鉄道ファンで賑わっている。わずか2年間で入館者数300万人を達成するほどの人気ぶりだ。

最終更新 2010年 8月 03日(火曜日) 15:23