越前和紙職人が挑んだ美術紙開発 岩野平三郎の一途な姿に迫る 印刷
2016年 5月 24日(火曜日) 00:06

明治・大正初期までは絹の布に描かれていた日本画。越前和紙職人の初代岩野平三郎(1878~1960年)が美術紙の開発に挑み、2代目(1901~74年)、3代目(1930~2016年)が発展させたことで、現在では9割以上が和紙に描かれるまでになった。1月に3代目が亡くなり、遺族から書簡や絵など資料1150点が福井市の県立美術館へ寄贈された。うち900点を占める書簡をひもとくと、横山大観ら画壇の実力者の助言に耳を傾け、理想の紙を一途に求めた初代平三郎の姿が克明に浮かび上がってくる。