米仏初の新型コロナ感染症例 去年下半期に前倒し WHO「新型肺炎の認識に変化」 印刷
2020年 5月 07日(木曜日) 19:17

このほど、多くの研究により多数の国で、新型コロナ肺炎の感染が最初に発見された時間が繰り上げられることが分かってきました。世界保健機関(WHO)は、早期症例の精査を呼びかけています。

去年年末からウイルスが広範囲で蔓延

米CNNテレビは5日、英国研究員が世界の7600名の感染者から抽出した新型コロナウイルスを遺伝子分析した結果、去年の遅い時期にウイルスが世界範囲で蔓延し始ていたことが分かったと報じました。

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CNN記事のスクリーンショット

ロンドン・ユニバーシティ・カレッジの遺伝学研究所のフランソワ・バロックス(Francois Balloux)研究員はCNNのインタビューを受けた際、「現在、ウイルスにバリエーションが生まれているものの、悪化していることを意味している訳ではない」と語りました。

研究チームがジャーナル「インフェクション、ジェネティクスとエボリューション」に発表した研究報告によりますと、2019年年末前に、全ての遺伝子配列が共通の祖先をもっていたとされ、その時期に、ウィルスが人間を宿主としたことが証明されているということです。

同報道は「これは、公的に報告される前にウイルスがすでに西側諸国で蔓延していたことを意味する」と報じました。

フランス 去年12月 新型コロナウイルス発見

米CNNテレビは、パリの病院に勤務する医師が2019年12月に入院した患者が新型コロナウイルスに感染していたという新たな証拠を見つけていたと報道しました。5月3日、フランスパリ東北の郊外にあるセーヌ・サン・ドニ病院の研究チームはこの発見を医療専門誌「インターナショナル・ジャーナル・アンタイマイクロウビアル・エージェント」(international journal of antimicrobial agents)に投稿しました。研究によりますと、新型コロナウイルスは2019年12月下旬にフランスで感染が始まっており、これはフランスで正式に発表された感染症例第1号より一カ月も早いということです。

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投稿された論文のスクリーンショット

米市長 11月 新型コロナに感染と自称

米メディアによりますと、ニュージャージー州ベルビル市のマイケル・メルハム市長が4月30日、自身が2019年11月に新型コロナウイルスに感染していたことを明らかにしたということです。検査により、メルハム市長がすでにウイルス抗体を持っていることが分かりました。米国では、今年1月20日になって初めて感染症例が報告されました。マイケル・メルハム市長の感染により、米国の初感染例の報告が2カ月あまり遅れていたことになります。

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マイケル・メルハム市長 写真は「ワールド・ジャーナル」サイトより

WHO 早期症例の精査呼びかけ

世界保健機関(WHO)のリンドマイアー報道官は5日にジュネーブで開かれた新型肺炎に関するブリーフィングで、フランスの報告について「全貌が変わる内容だ」とし、2019年年末の原因不明の肺炎症例を検査するよう呼びかけ、新しくより明瞭な認識を得られる可能性を示唆しました。