IMF、世界経済の成長率予測を下方修正 国連も予測発表 印刷
2019年 1月 22日(火曜日) 19:17

国際通貨基金(IMF)は21日、最新の世界経済見通しを発表し、2019年と2020年の世界全体の経済成長率予測を、それぞれ3.5%と3.6%に下方修正しました。同時に、各国の政策制定者に対して、多国間協力を展開し、貿易体制が直面する課題に共に対応するよう呼びかけました。

この報告書は、「ユーロ圏の経済成長率の下方修正の影響を受け、先進国の経済成長率は今後2年、持続的に減速する見込みだ。全体として、成長率は去年の2.3%から今年は2.0%まで、さらに来年は1.7%にまで低下する見込みだ。一方、発展途上国の経済成長率は4.5%まで小幅に減速し、来年は4.9%に回復する見込みだ」と予測しています。

IMFは「中米貿易交渉の結果と全世界の金融関係の変化は、いずれも経済成長率の予測に影響を与える可能性がある」と示した上で、各国に対して、貿易体制が直面する課題に対応すること、貿易コストを削減すること、そして、貿易摩擦で関税と非関税の障壁を用いるやり方を避けることを呼びかけました。

また同日、国連は2019年の世界経済の状況と展望に関する報告書を発表し、2019年と2020年の世界経済は共に約3%の成長率で安定的に成長するだろうとの予測を示しています。

この報告書は、「2018年の財政刺激措置による推進力が弱まるにつれて、米国経済の成長率は2019年に2.5%に、2020年に2%に減速する見込みだ。一方、EUにはイギリスの離脱による影響を含めた減速リスクがあるものの、EU経済は今年と来年、2%の成長率を保つだろう。そして、中国経済は2019年に6.3%成長する見込みだ」と予測しています。