世界初 水素利用ART車両がマレーシアに輸出 印刷
2023年 7月 18日(火曜日) 23:31

中国中車傘下の中国中車株洲電力機車研究所有限公司が研究開発した、水素を利用してレールを使わずに路上を自動走行する世界初の電気自動車「智能軌道快運システム(Autonomous Rail Rapid Transit、ART)」の車両がこのほど、中国南部の湖南省株洲市で積載輸送の作業を終えました。この後、上海の港湾を経由してマレーシアに向けて運ばれます。この車両は中国中車株洲電力機車研究所から東南アジア地域に引き渡される初のART車両です。

トラックに積み込まれる世界初のART車両

ARTとは中国中車株洲電力機車研究所有限公司が自主開発した次世代交通システムのことです。そのシステムは路面電車と公共バスの長所を組み合わせ、車載センサーを通して路上のバーチャルレールを認識し、走行情報を中央コントロールユニットに伝送して、けん引、ブレーキ、操舵(そうだ)などの正常な作動を確保しながら、既定のバーチャルレール上を走行する車両を高精度で把握し、スマート走行を実現させます。

この車両は初めて水素エネルギー動力システムを採用し、70メガパスカル(MPa)の圧力を持つ水素貯蔵システムと高出力燃料電池システムを積載しており、航続距離は245キロに達します。研究チームは車両の構造・デザイン、材料・技法などの面から改良を施し、車両性能をマレーシアの亜熱帯気候に適応させました。